伊豆沼・内沼いきもの図鑑

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モクズガニ

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生物名 モクズガニ
分類 甲殻類
イワガニ科
学名 Eriocheir japonica
生息地 川・湖・沼・湿地
見られる季節
全長 甲幅は7-8cm
体重 体重180g
えさ 食性はカワニナなどの貝類、ミミズ、小魚、水生昆虫、両生類、糸状緑藻類
説明 甲幅は7-8cm、体重180gほどに成長する、川に産するカニの中では大型種である。鋏脚に濃い毛が生えるのが大きな特徴で、""Mitten crab(手袋ガニ)""という英名もこの毛に由来している。毛はふつう黒褐色をしているが、脱皮直後は白色で白髪のようにみえる。頭胸甲はやや後方に拡がった六角形をしており、側縁部にはノコギリの歯のようなとげが3対ある。体色は白い腹部と胸部腹甲を除き、本来全体的に濃い緑がかった褐色をしている。拡大するとわかるが、実際はこれはモノトーンではなく、黄緑色の下地に黒い縞模様が混ざった豹柄に近い。野生の状態では付着物が覆っていて黒く汚れた個体も多い。なお洗剤が流れ込む川は、あずき色や黄色の色素形成異常と思われる個体がみつかることもある。成長とともに鋏脚は相対的に大きくなり、毛も濃くなる傾向がある。成体では雌雄の形態差(性的二形)が明瞭で、雄は雌に比べたくさん毛の生えた大きな鋏脚を持ち、歩脚の長さは長い。成体の体サイズは雌雄でほぼ重なるが、雄の方が小型個体が多く、また最大サイズは大きい傾向がある。
成体の雄には形態に関して二形が認められ、相対的に小さな鋏を持ち歩脚の長い小型個体(甲幅約3-6cm)と、たくさん毛の生えた大きな鋏脚と短い歩脚の大型個体(約6cm以上)の2タイプが分けられるが、雌はこのように分かれる傾向は認められない。これはカブトムシの角やクワガタムシの大顎など資源防衛型の交配システムをとる甲虫類でよく知られる現象で、甲殻類ではアメリカザリガニの鋏にその傾向がある。このような雄の二形は、「配偶行動においていかにふるまえば最も自らの遺伝子を残せるか」という配偶行動戦略の違いが生出したものだという性選択の理論で説明されること多い。つまり大きな体サイズを確保できた個体は鋏という武器を有効に使い雌を獲得する(特にモクズガニの場合には交尾後ガードで交尾済みの雌の再交尾を妨げる闘争において有効に機能する)ような軍拡競争的進化で獲得された形態を発現し、小型の個体は大型個体には武器を使った闘争ではかなわないので行動力を高める形質を発現するというふうに、複数の戦略を生育履歴にしたがって切り替える表現型の可塑性が進化することで、二形が分離したというものである。
お役立ちメモ 食用として有名な「上海蟹」(チュウゴクモクズガニ)の同属異種であり、日本各地で食用にされている内水面漁業の重要漁獲種である。

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