第2章 避難、救援及び武力攻撃災害への対処に関する平素からの備え
避難、救援及び武力攻撃災害への対処に関する平素からの備えに関して必要な事項について、以下のとおり定める(通信の確保、情報収集・提供体制など既に記載しているものを除く。)。
1 避難に関する基本的事項
- (1)基礎的資料の収集
市は、迅速に避難住民の誘導を行うことができるよう、住宅地図、道路網のリスト、避難施設のリスト等必要な基礎的資料を準備する。
- (2)隣接する市町との連携の確保
市は、市の区域を越える避難を行う場合に備えて、平素から、隣接する市町と想定される避難経路や相互の支援の在り方等について意見交換を行い、また、訓練を行うこと等により、緊密な連携を確保する。
- (3)高齢者、障害者等災害時要援護者への配慮
市は、避難住民の誘導に当たっては、高齢者、障害者等自ら避難することが困難な者の避難について、地域防災計画に定める要援護者対応計画を活用しつつ、災害時要援護者の避難対策を講じる。
その際、避難誘導時において、災害・福祉関係部局を中心とした横断的な「災害時要援護者支援班」を迅速に設置できるよう職員の配置に留意する。
- (4)民間事業者からの協力の確保
市は、避難住民の誘導時における地域の民間事業者の協力の重要性にかんがみ、平素から、これら企業の協力が得られるよう、連携・協力の関係を構築しておく。
- (5)学校や事業所との連携
市は、学校や大規模な事業所における避難に関して、時間的な余裕がない場合においては、事業所単位により集団で避難することを踏まえて、平素から、各事業所における避難の在り方について、意見交換や避難訓練等を通じて、対応を確認する。
2 避難実施要領のパターンの作成
市は、関係機関(教育委員会など市の各執行機関、消防機関、県、県警察、自衛隊等)と緊密な意見交換を行いつつ、消防庁が作成するマニュアルを参考に、季節の別(特に冬期間の避難方法)、観光客や昼間人口の存在、混雑や交通渋滞の発生状況等について配慮し、複数の避難実施要領のパターンをあらかじめ作成する。
3 救援に関する基本的事項
- (1)県との調整
市は、県から救援の一部の事務を本市において行うこととされた場合や市が県の行う救援を補助する場合にかんがみて、市の行う救援の活動内容や県との役割分担等について、自然災害時における市の活動状況等を踏まえ、あらかじめ県と調整しておく。
- (2)基礎的資料の準備等
市は、県と連携して、救援に関する事務を行うために必要な資料を準備するとともに、避難に関する平素の取り組みみと並行して、関係機関との連携体制を確保する。
4 運送事業者の輸送力・輸送施設の把握等
市は、県と連携して、運送事業者の輸送力の把握や輸送施設に関する情報の把握等を行うとともに、避難住民や緊急物資の運送を実施する体制を整備するよう努める。
- (1)運送事業者の輸送力及び輸送施設に関する情報の把握
市は、県が保有する本市の区域の輸送に係る運送事業者の輸送力及び輸送施設に関する情報を共有する。
- 輸送力に関する情報
- 保有車輌等(定期・路線バス等)の数、定員
- 本社及び支社の所在地、連絡先、連絡方法など
- 輸送施設に関する情報
- 道路(路線名、起点・終点、車線数、管理者の連絡先など)
- 鉄道(路線名、終始点駅名、路線図、管理者の連絡先など)
- (2)運送経路の把握等
市は、武力攻撃事態等における避難住民や緊急物資の運送を円滑に行うため、県が保有する本市の区域に係る運送経路の情報を共有する。
5 避難施設の指定への協力
市は、県が行う避難施設の指定に際しては、必要な情報を提供するなど県に協力する。
市は、県が指定した避難施設に関する情報を避難施設データベース等により、県と共有するとともに、県と連携して住民に周知する。
6 生活関連等施設の把握等
- (1)生活関連等施設の把握等
市は、その区域内に所在する生活関連等施設について、県を通じて把握するとともに、県との連絡態勢を整備する。
また、市は、「生活関連等施設の安全確保の留意点について」(平成17年8月29日閣副安危第364号内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)付内閣参事官通知)に基づき、その管理に係る生活関連等施設の安全確保措置の実施のあり方について定める。
- (2)市が管理する公共施設等における警戒
市は、その管理に係る公共施設、公共交通機関等について、特に情勢が緊迫している場合等において、必要に応じ、生活関連等施設の対応も参考にして、県の措置に準じて警戒等の措置を実施する。この場合において、県警察等との連携を図る。