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更新日:2026年2月3日

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令和8年度施政方針

本日ここに、令和8年登米市議会定例会2月定期議会が開会され、令和8年度一般会計予算案をはじめとする各議案のご審議をお願いするに当たり、私の市政運営に向けての所信の一端と主要施策の概要について述べさせていただきます。

なお、本施政方針は、令和8年度からスタートする第三次登米市総合計画に基づき、令和8年度に重点的に取り組む施策の方向性について、お示しさせていただきます。

1.はじめに

全国的な人口減少・少子高齢化が進んでおり、本市においても、令和6年の出生数が初めて300人を下回るなど深刻な状況が続いています。

また、社会経済情勢では、令和4年から始まった物価高騰の波が現在も継続しており、食品やエネルギー関連の価格上昇が日常生活に多くの影響を及ぼしています。

さらに、地球温暖化が一因とされる豪雨や猛暑のほか、昨年2月に岩手県大船渡市で発生した大規模な林野火災など、全国的に自然災害が頻発している状況であります。

このような社会・経済・環境の著しい変化の中で、本市の「第三次登米市総合計画」が令和8年度からスタートします。

計画初年度となる令和8年度の市政運営に当たっては、本市の今後10年先を見据えたスタートの1年となることから、第三次登米市総合計画に掲げる本市の将来像「あふれる笑顔 豊かな自然 住みたいまち とめ」の実現に向け、3つのまちづくりの基本政策を軸に、市民生活第一主義の視点を持って各種施策を推進してまいります。

2.市政運営の3つの重点政策(3つの軸)

はじめに、施政方針に掲げる3つの重点政策の1点目、やすらぐまちづくりについてであります。

①防災・減災対策の推進

防災・減災対策の推進についてでありますが、いつどこで甚大な被害が発生するか予測困難な自然災害に対しては、地域防災リーダーとなる防災指導員を養成することで、自主防災組織の自発的な防災活動の促進を図り、自主防災組織を主体とした訓練や講座を通じて、市民の防災意識の向上に引き続き取り組んでまいります。

また、国や県などの関係機関と連携強化を図り、地域防災力の強化に努めながら、市民の生命と財産を守ることを最優先に、激甚化する災害に強いまちづくりを進めてまいります。

消防・防災機能の強化については、激甚化、広域化する自然災害を始めとする各種災害に対応するため、消防車両等の維持管理を徹底するとともに計画的に更新を図り、また、地域防災の中核を担う消防団についても、効果的な組織再編と、消防団員を雇用する企業等に対して理解と協力の働きかけを行い、活動しやすい環境を整備して消防団員の確保に取り組んでまいります。

インフラ整備については、大雨による被害が大きかった河川を対象として、令和2年度から堆積土砂や支障木の撤去等を実施してきたところであり、着実に災害発生リスクの軽減が図られているものと捉えております。

今後においても、国の国土強靭化対策等の動向を注視し、有利な財源を確保するとともに、対象河川の追加も検討しながら、適切な維持管理に努めてまいります。

市街地における内水対策については、現在、県において、令和7年度末の供用を目指し、長沼川河川改修事業を実施しているところであり、長沼川放水路上流側区間の整備促進についても継続して要望してまいります。

本市においても、迫町佐沼中江地区を始めとする道路側溝の土砂撤去に継続して取り組んでおり、県事業との相乗効果に期待しているところであります。

また、緊急輸送道路や重要物流道路に指定されている市道北方・中田線の通行確保を重点課題と捉えており、更なる内水対策に向け、排水系統の見直しを検討してまいります。

②防犯・交通安全対策の推進

次に、防犯・交通安全対策の推進についてであります。

防犯対策については、市内の刑法犯認知件数は近年、増加傾向にありましたが、令和7年においては、令和6年より減少しました。

今後も更なる刑法犯認知件数の減少を目指すため、警察や防犯協会などと連携しながら、犯罪抑止に向けた情報提供、啓発活動及び防犯パトロール等を実施するとともに、夜間の安心な歩行を確保するため、防犯灯の効率的な整備と、不具合箇所については早期復旧を図るなど、犯罪のない明るく住みよいまちづくりに取り組んでまいります。

交通安全対策については、市内の交通事故発生件数は近年、横ばいとなっておりましたが、令和7年においては、令和6年より減少しました。

今後も更なる交通事故の防止を図るため、引き続きこどもや高齢者の交通事故防止を重点に、関係機関と連携しながら、街頭指導や交通事故防止啓発キャンペーン等を実施し、市民一人一人の交通安全意識の高揚と交通ルール遵守の徹底に取り組んでまいります。

また、安全に通行できる環境を維持するため、カーブミラーなどの交通安全施設の効率的な整備と適切な維持管理を行い、交通量の多い交差点や通学路となっている道路においては、必要に応じて信号機の設置を関係機関に要望するなど、安全な社会の実現に取り組んでまいります。

③健康づくりの推進

次に、健康づくりの推進についてであります。

本市では、脳血管疾患や心疾患の死亡率が高く、こども、大人とも肥満割合が高いことから、生活習慣の基礎が培われる幼児期からの生活習慣病予防に取り組んでおり、健康寿命の緩やかな延伸が図られてきているところであります。

今後においても、生活習慣病を予防するための高血圧対策として、健診会場での尿ナトカリ比測定のほか、食育推進として親子を対象としたナトカリレシピコンテストや、中学生の尿ナトカリ比測定を実施し、バランスの良い食事の啓発に努めてまいります。

また、ウォーキング事業を通して、運動の大切さの啓発と運動の定着への働きかけを行い、学校、企業、関係機関との連携強化を図りながら、市民の皆様が主体的に健康づくりに取り組めるよう支援してまいります。

健康診査・がん検診等については、近年、各種検診の受診率が年々減少傾向にあることから、受診率の向上を図るため、居住する町域での受診が確認できない方に対し、市内で実施する検診の案内を送付するほか、未受診者に対しては再度検診を受ける機会を設けるなど、継続的に受診機会を確保するとともに、各種健康教室等において、検診の重要性を啓発し受診勧奨に努めてまいります。

さらに、検診受診の習慣化を促進するため、これまでの子宮頸がん、乳がん検診に加え、令和8年度から、大腸がん検診においても、検診対象年齢に初めて達した方を対象に、無料クーポン券を配付し、より検診を受けやすい環境を整え、受診率の向上に取り組んでまいります。

④地域医療の確保と救急体制の充実

次に、地域医療の確保と救急体制の充実についてであります。

病院事業では、市民の皆様に信頼され、支持される病院づくりを経営理念として、登米市民病院では「断らない救急」を掲げ、救急患者の受け入れ強化に取り組んでいるほか、地域医療への理解を深めていただくため、出前講座等による地域医療の情報発信に努めているところであります。

また、経営の改善に向けて病床数のダウンサイジングによる看護職員の配置集約や、市立3病院における機能分化や連携強化、新たな加算の取得による医業収益の増加などの取組を最優先に進めてきた結果、医業収益の増加につながるなど、その取組が成果に現れたところであります。

しかしながら、全国的な状況として、採算性の低い政策医療を担う公立病院の経営状況は、医業収益が増加したものの、社会情勢の変化による物価高騰や人件費の上昇などの影響で、医業費用が大幅に増加したことにより、大変厳しい状況となっており、令和8年度においても組織を挙げて経営改善に向けた取組を最優先に進め、持続可能な医療提供体制の確保に努めてまいります。

地域医療人材の確保については、東北大学病院及び東北医科薬科大学病院並びに宮城県に対し、常勤医の派遣要請を継続するとともに、初期研修医や後期研修医の確保に努めるほか、東北医科薬科大学の東北地域医療支援修学資金や、宮城県医学生修学資金の貸付けを受けた医師についても、市立病院への配置につながるよう関係機関からの情報収集に努めてまいります。

また、本市の医学生奨学金制度を利用した医師1名が、令和8年度から登米市民病院に勤務予定となっており、合わせて7名の医師の勤務に結びついているため、今後は義務期間終了後の定着に向けて取組を進めてまいります。

さらに、主治医のサポート役として3名の診療看護師が複数の施設や在宅において活動を展開しておりますが、養成機関に派遣している1名が4月から活動に加わる予定であるため、診療看護師が活動を通して広く地域や関係機関に認知されるよう活動範囲を広げてまいります。

次に、周産期医療についてでありますが、本市の周産期医療体制は、分娩施設と健診施設の機能を分担する産科セミオープンシステムにより対応しており、分娩を取り扱う医療機関がない現状であることから、令和8年度においては分娩を取り扱う産婦人科や小児科の招致について、他自治体の取組を参考に調査研究してまいります。

次に、市立3病院の再編に向けた検討についてでありますが、病院事業では、現在、医療経営コンサルタントの支援を受けながら、市立3病院のあり方を検討しており、医療局内における検討に加え、有識者等で組織するあり方検討委員会の意見を集約しているところであります。

市立3病院のあり方については、現在の経営状況や人口減少に伴う医療需要の変化、不足する医療従事者、施設の老朽化など、病院事業が抱える課題を踏まえ、地域医療構想との整合性を図りながら考え方を整理するとともに、あり方検討委員会での意見を踏まえ、令和8年度に方針をお示ししてまいります。

また、その方針に基づいた地域医療提供体制の構築に計画的に取り組むとともに、その内容については、令和8年度から策定に着手する次期病院事業中長期計画に反映してまいります。

さらに、指定管理者制度の導入や民間譲渡、民間活力の導入などの経営形態についても、医療提供体制の確保につながる選択肢の一つであることから、持続可能な病院経営となるよう中長期的な視点を持ちながら検討を進めてまいります。

次に、救急体制についてでありますが、高齢化や気候変動等による影響もあり、本市を含め全国的に救急出動件数が増加の一途をたどる中、更なる救急体制の強化が求められるため、医療機関及びドクターヘリ運用機関等との連携を図り、迅速な搬送を可能とする環境整備に取り組むとともに、適切で高度な救急活動を行うために、救急救命士の養成と車両並びに資機材等の計画的な更新に努めてまいります。

⑤福祉の充実と権利擁護の推進

次に、福祉の充実と権利擁護の推進についてであります。

高齢者の一人暮らしや高齢者のみの世帯が増加する中、高齢者が持つ多様な相談ニーズに迅速かつ的確に対応するため、関係機関と連携し、引き続き地域包括ケアシステムの推進を図ってまいります。

また、高齢者の自立支援の手助けとなるよう配食サービスや緊急通報システム、外出支援等の在宅サービスを適切に提供するとともに、生活支援体制整備事業を通して、地域課題を明らかにし、必要な資源開発や地域づくりにつなげるよう地域の支えあいの体制づくりを支援してまいります。

認知症施策については、家族等からの相談に加えてアウトリーチを積極的に実施し、認知症の早期発見・早期対応に努めるほか、認知症サポーター養成講座の実施や認知症カフェの開催支援、世界アルツハイマーデー月間の啓発活動等により認知症への正しい理解を広め、認知症になっても地域で安心して暮らしていける環境づくりに努めてまいります。

さらに、健診・介護・医療等のデータを活用し、地域の状況に応じた健康教室の開催や、通いの場への継続的な介入を行い、フレイル予防に努めてまいります。

次に、障がい者及び障がい児支援については、必要な支援やサービスを利用しながら、住み慣れた地域で安心して日常生活や社会生活を送ることができるよう、障がいの程度に応じ、ライフステージにおける切れ目のない障害福祉サービス等の提供に努めるとともに、支援の質を高めるため、相談支援体制の充実をはじめ、福祉サービスを提供する事業所職員を対象とした各種研修会を開催し、支援従事者のスキルアップを図ってまいります。

次に、人権擁護については、市民一人一人の価値観や多様性が尊重され、あらゆる機会を通じて人権尊重意識の啓発を行うとともに、相互に認め合う人権意識の高いまちづくりを推進していくことが重要であります。

このことから、更なる人権意識の普及・高揚を図るため、登米人権擁護委員協議会や国立ハンセン病療養所東北新生園と連携し、人権擁護に関する相談機会の確保やハンセン病に対する正しい知識の普及啓発が図られるよう、幼少期からの人権教育にも取り組んでまいります。

⑥生活支援の充実

次に、生活支援の充実についてであります。

生活困窮者の支援については、多様化する生活相談に対応するため、登米市自立相談支援センターにおいて作成する、課題解決に向けた支援プランに基づき、実情に即した生活支援につながるよう、ハローワーク等の関係機関と連携しながら、包括的な支援に努めてまいります。

次に、特殊詐欺防止については、近年その手口が複雑化・巧妙化していることから、被害に遭わないよう、警察や防犯協会との連携を図りながら、被害の未然防止に向けた啓発活動と相談体制の充実に努めてまいります。

また、多重債務や消費者トラブルについては、多重債務者無料法律相談会や消費生活相談窓口の周知、活用を図りながら、問題解決に向けた支援を推進してまいります。

⑦社会基盤の充実

次に、社会基盤の充実についてであります。

高度成長期に整備した道路や橋りょうなどのインフラ施設については、老朽化が進行する中、これまでの事後保全的な維持管理から、予防保全的な修繕を取り入れた効果的な取組により、施設の長寿命化を図り、維持管理コストの縮減や、修繕時期の分散化により予算を平準化することで、市民の安全・安心の確保に向けた適切な維持管理に努めてまいります。

また、インフラ施設の不具合を情報提供いただくLINE通報システムの積極的な活用について、様々な機会を捉えて周知していくとともに、市民の皆様からの情報を広く収集することにより、危険箇所の早期発見と迅速な対応に努め、インフラ施設の適切な維持管理へつなげてまいります。

次に、上下水道事業についてでありますが、本市の基幹浄水場である保呂羽浄水場については、将来にわたり安全な水道水を安定的に供給するため、再構築事業に取り組んでおり、令和11年度の完成に向けて、着実に事業を推進してまいります。

また、令和4年3月に発生した福島県沖地震以降、有収率は低下傾向にあり、その向上対策が水道経営にとって重要な課題となっていることから、令和6年度に実施した人工衛星による漏水調査の解析結果や、AI管路劣化診断などの新技術を活用し、より効率的・集中的な漏水対策を行うことで、有収率の向上に努めてまいります。

さらに、登米市水道事業施設更新計画に基づき、将来の水需要を踏まえた施設の再構築とダウンサイジングに合わせ、老朽化した水道管を計画的に更新していくことにより、持続可能な経営基盤の構築を図ってまいります。

下水道施設の整備については、市民生活に欠かせない重要なインフラ施設の一つであることから、令和10年度の事業概成を目標に、計画区域の見直しを行いながら水洗化率の向上を図ってまいります。

また、より効率的で持続可能な施設の管理運営を実現していくため、汚水処理施設の維持修繕や改築事業を行い、施設の健全化と長寿命化、維持管理費の縮減に努めてまいります。

下水道区域の統廃合計画については、中田町及び米山町域の農業集落排水処理区域を公共下水道区域に統廃合するための実施設計に着手してまいります。

次に、適正な土地利用の誘導については、土地利用の規制誘導等により、自然環境、農村環境との調和を図りつつ、無秩序な市街地の拡大を防ぎ、合理的な土地利用を促進しながら、コンパクトで持続可能なまちづくりに向けて推進してまいります。

次に、みやぎ県北高速幹線道路については、現在、東北縦貫自動車道との相互乗り入れのため(仮称)栗原インターチェンジの整備が令和11年度の完成へ向けて進められておりますが、未整備となっている第Ⅴ期区間や三陸沿岸道路への直接乗り入れについては事業化されていない状況にあります。

みやぎ県北高速幹線道路は、全区間が高規格道路として整備されることで整備効果が最大限発揮されるものと捉えており、本市としましては、関係4市町で構成する「みやぎ県北高速幹線道路建設促進期成同盟会」や、令和6年に市内民間事業者を構成員として新たに設立された「みやぎ県北高速幹線道路建設促進登米市期成同盟会」において、事業主体である県や国の関係機関等に対して、早期の事業化へ向けて引き続き強く要望してまいります。

次に、公共交通についてでありますが、本市では、通院や買い物、通学などの市民生活を支える移動手段の確保に取り組んでおり、令和6年度においては、市民バス、住民バス及びデマンド型乗合タクシーの運行により、移動手段を持たない高齢者等延べ約28万人の生活を支えてまいりました。

これに加え、令和8年度においては、大崎市民病院及び石巻赤十字病院へ通院等の支援の必要性を検証するため、一定期間の実証運行に着手してまいります。

⑧環境保全とゼロカーボンシティ・循環型社会形成の推進

次に、環境保全とゼロカーボンシティ・循環型社会形成の推進についてであります。

自然と共生する社会の実現については、本市では「とめ生きもの多様性プラン」に基づき、生物多様性の保全と再生に取り組み、自然と共生した社会づくりを推進しております。

しかしながら、現在、世界的に生物多様性損失と気候変動の危機と言われており、日本をはじめ、世界各国では、自然環境の損失を止め、回復に反転させる「ネイチャーポジティブ」を目指す動きに変化しております。

そのことから、令和8年度には、ネイチャーポジティブの考え方を踏まえ、とめ生きもの多様性プランの見直しに向けた検討を行うとともに、生物多様性に対する市民の理解と関心を高め、地域での取組につなげるため、こどもたちに加え一般市民の方も対象とした学習機会の提供に努めてまいります。

カーボンニュートラル実現に向けた取組については、本市では、第三次登米市地球温暖化対策地域推進計画に基づいた市全体での温室効果ガス排出量削減の取組を推進しております。

令和8年度については、今後の更なる排出量削減に向けて、現在研究が進められている省エネや再生可能エネルギーなどの新技術の動向を注視し、社会実装の時期を見据えながら、有効な導入支援策を調査研究するとともに、市民や事業者の行動変容、取組の拡大を図っていくため、次世代育成に向けたジュニアミーティングなどの普及啓発事業を継続してまいります。

 

次に、施政方針に掲げる3つの重点政策の2点目、にぎわうまちづくりについてであります。

①農林業の振興

はじめに、農林業の振興についてであります。

農業分野については、地球温暖化による気候変動や不安定な国際情勢、更には国における水田政策の見直しなど、農業を取り巻く情勢が大きく変化する中、本市においては、計画的かつ総合的に農業振興を進めて行くため、令和8年度からの10年間を計画期間とする「第二次登米市農業振興ビジョン」を策定し、農業者、消費者、関係機関など多様な主体と連携を図りながら、本市の基幹産業である農業の活性化を推進してまいります。

本市農業の主軸となる主食用米については、一昨年からの「令和の米騒動」と呼ばれる全国的な米不足を受け、令和7年産の概算金はこれまでにない高値となったところでありますが、全国の生産量や在庫見通しから推察すると、一転して米価下落の恐れがあり、国では一旦、米の増産に舵を切る方針を打ち出し、その後、需要に応じた生産を基本とする従来の方針に見直すなど、米政策は先行きが見通せない情勢となっております。

本市としましては、令和8年産主食用米の生産の目安について、令和7年度の主食用水稲作付面積よりも767ヘクタール少ない9,537ヘクタールと設定したところであり、生産の目安に基づく需要に応じた主食用米の生産を推進し、農業経営に希望が持てる米価水準の維持を支援してまいりたいと考えております。

県内初のオーガニックビレッジ宣言から3年目となります有機農業の拡大に向けた取組については、有機農業推進セミナーの開催、有機米の学校給食への提供や市内外イベントにおけるPRなど、生産から消費まで一貫した地域ぐるみの取組を推進し、本市農業の強みである環境保全型農業を更に前へと進めてまいります。

収益性の高い園芸作物への作付け転換の推進については、きゅうりやキャベツ、ねぎやたまねぎなどの園芸重点振興作物に加え、果樹や花きの振興を図るため、高収益作物転換等推進事業を継続して実施し、施設や機械設備の導入支援による作付けの拡大を後押しするとともに、農業関係機関と連携し、近年の気候変動に対応した新規作物の導入を支援してまいります。

スマート農業の推進に向けた取組については、登米市スマート農業推進方針に基づき、先進技術を活用した農業経営の効率化・作業の省力化を図り、持続可能な魅力ある農業経営を実現するため、スマート農業等普及推進事業を拡充し、本市農業の特性と営農体系に応じた誰もが取り組みやすいスマート農業技術の普及推進に努めてまいります。

農作物の鳥獣被害対策については、近年生息数が増加傾向にあるニホンジカやイノシシによる被害が継続して発生しており、対策の基本となる捕獲については、登米市鳥獣被害対策実施隊の献身的な活動により、捕獲頭数を拡大して対応しておりますが、今後も継続して狩猟者の確保に努めるとともに、市担当職員の狩猟免許の取得を推進し、捕獲体制の充実を図りながら、侵入防止対策としての電気柵等の設置費用への支援を拡充するなど、総合的な対策を推進してまいります。

また、ツキノワグマなどが人の生活圏に出没した場合に迅速に対応するため、昨年創設された緊急銃猟制度を円滑に遂行できるよう、対応マニュアルを策定したところであり、関係機関との連携を図りながら、市民の皆様の命と暮らしを守ってまいります。

畜産振興については、枝肉価格の低迷や飼料価格の高止まりなど、厳しい経営状況が続いており、また、繁殖農家の減少に連動し、子牛生産頭数も減少していることから、畜産総合振興対策事業を拡充し、優良素牛の導入を更に支援するとともに、第13回全国和牛能力共進会北海道大会2027での上位入賞を目指すため、生産者や生産者団体等と連携した「牛づくり」と「人づくり」を推進し、本州一の肉用牛の産地、仙台牛の主産地としての生産力、飼養管理技術の向上に努めてまいります。

放射性物質に汚染された指定廃棄物については、これまで国に責任を持った対応を要請し、協議を重ねてまいりましたが、昨年行われた再測定の結果、すべて8,000ベクレル以下に減衰していることが確認されており、今後においては、国や県と連携を図り、指定解除を行い、一般廃棄物として適切に処理を進め、長年保管していただいている農家負担の早期解消に努めてまいります。

土壌還元処理を進めている農林業系廃棄物については、農業者や関係機関と連携し、すき込み圃場の確保に努め、計画的に処理を進めてまいります。

林業振興については、昨年11月、木材の活用による地球温暖化防止に貢献するとともに、木とともに生きる地域の未来を育む取組を推進するため、県内初となる「森の国・木の街づくり宣言」を行ったところであり、木を積極的に使い、植え、育て、大切な森林を次世代へ継承していくため、森林環境譲与税を効果的に活用し、民有林の適正な森林整備を計画的に推進してまいります。

本市の豊かな森林資源は、本格的な利用期を迎えており、森林組合の経営基盤強化による木材の安定的な供給体制の構築に努めるほか、市内産木材を使用した住宅等の支援事業を拡充した、森林を活かす木造住宅支援事業の実施に加え、新たに認証材を使用した鉛筆を市内製材所と連携して製作し、セカンドウッドとして市内小学校に入学する児童へ配布する取組を進め、未来を担うこどもたちが木のぬくもりに直接ふれる木育とあわせて、本市林業の強みである環境に配慮したFSC森林認証木材の需要拡大を図ってまいります。

昨年10月には、木材活用促進に関する協定を締結している東京都港区で開催された、みなと森と水ネットワーク会議に出席し、本市認証材の活用を積極的にPRしてきたところであり、今後も木材消費地である首都圏等への売り込みを推進してまいります。

昨年から取り組んでまいりましたJ-クレジット制度に基づく森林由来のクレジットの創出については、令和8年度からクレジット販売を開始する見込みであり、市有林の持続的な整備とカーボンニュートラルの実現につなげてまいります。

農業担い手の確保対策については、新たな取組として宮城県農業大学校と連携し、みやぎ農業研修生滞在施設を活用した短期研修生の積極的な受入れを推進するほか、首都圏等で開催される就農相談フェア等でのPRを行いながら、国や県の事業と本市独自の支援事業を組み合わせた施策による市内外からの新規就農者の確保・育成に努めるとともに、地域計画に位置づけられた担い手への農地集積・集約化と効率的・安定的な農業経営に向けた支援、兼業農家などの多様な担い手に対する営農継続に向けた支援を実施し、本市農業の持続的な発展に努めてまいります。

②商工業の振興

次に、商工業の振興についてであります。

物価高騰が続き、中小企業者は大変厳しい経営状況にあることから、事業継続を支援するため、中小企業振興資金の融資斡旋と保証料の全額支援、利子補給により、地域経済の血液となる資金繰りを継続して支援するとともに、ビジネスチャンス支援事業による新商品の開発・販路開拓、空き店舗活用を推進するほか、商店街の活性化に向け、賑わい創出と魅力向上を図るイベントの開催を支援してまいります。

令和6年度から3カ年計画で取り組んでいる事業承継支援事業については、関係機関による連携を強化するとともに、セミナー等の開催による機運醸成に加え、新たにビジネスチャンス支援事業に支援メニューを創設し、事業承継がスムーズに進むよう、しっかりと取組を進めてまいります。

若者の地元定着に向けては、高校3年生を対象とした就職ガイダンスによるマッチングに加え、令和7年度からの新たな取組として開始した、高校1・2年生を対象とした企業ガイダンスについても継続して開催し、進路が定まっていない早い段階から市内企業の魅力と認知度の向上を図り、進学希望者においても、大学等卒業後の就職先として市内企業を選択していただけるよう取り組んでまいります。

③観光物産の振興

次に、観光物産の振興についてであります。

観光振興については、本市の強みであり、観光資源である食を中心に、人と地域がつながる体験型観光へと転換を図っていくための新たなイベントとして、本市が誇る仙台牛を戦略的にPRする「肉フェスティバル」を開催し、食の魅力発信に取り組み、あわせて、環境保全米、油麩、はっとなど食文化を活用したガストロノミーツーリズムや酒蔵ツーリズム、伊豆沼・内沼等の自然を体感するエコツーリズムなど、本市ならではの多彩なニューツーリズムを推進し、多くの観光客を呼び込んでまいります。

また、道の駅津山・もくもくランド内に全天候型の屋内遊具施設を整備し、地域の豊富な森林資源を生かした木育の推進とファミリー層の誘客による観光の活性化につなげてまいります。

物産振興については、令和5年度から取り組んできた米粉を活用した商品開発について、お菓子を中心とした新商品が間もなく発売される見込みであり、本市の新たな特産品として積極的なPRに努めるとともに、市内飲食店等による新メニューの開発を進め、観光と物産を一体的に売り込んでまいります。

農畜産物の販路拡大については、首都圏のシェフ等を生産現場に招へいし、生産者との交流を通じて、本市食材の魅力を深く体感していただく取組を通じ、ホテル等での登米市フェアを継続して開催していただき、食材の宝庫である本市のポテンシャルを最大限に活かし、食といえば登米市、米や牛肉といえば登米市という確固たるブランドイメージを構築してまいります。

④起業支援・企業誘致の推進と雇用の創出

次に、起業支援・企業誘致の推進と雇用の創出についてであります。

起業支援の取組については、地域資源を活用した事業や地域の課題解決につながる事業による起業・創業を継続して支援し、地域経済の活性化を推進してまいります。

また、企業誘致の推進と雇用の創出については、昨年、長沼第二工業団地A区画に自動車部品等の製造を行う企業の立地が決定し、現在、新工場の建設に着手したところであり、令和9年の一部操業開始に向け、新規雇用対策を含め、しっかりと寄り添いながら支援するとともに、残るD区画への早期立地に向け、私自身が積極的にトップセールスを展開し、新たな雇用の創出につなげてまいります。

⑤移住定住の推進と居住環境の確保

次に、移住定住の推進と居住環境の確保についてであります。

本市では、これまで首都圏等での移住フェアにおいて、本市の魅力と各種支援策のPRや、きめ細かな相談対応を行うとともに、住まいサポート事業による住宅取得支援に取り組み、移住者及び定住者の創出につなげてきたところであります。

移住を検討している方に必要な情報を届けられるよう、移住専用サイトを活用した情報発信のほか、首都圏や仙台駅周辺での小規模移住相談会の開催、本市での暮らしを体験していただくことで将来的に移住につながるよう、二地域居住者を対象とするメニューの検討や職業体験ができる移住体験ツアーの実施など各種取組を強化してまいります。

また、U・I・Jターンを検討するきっかけ作りのため、本市の魅力を積極的に発信するとともに、移住支援金事業による支援に取り組むほか、特に若者の移住定住を図るため、奨学金返還支援事業の対象拡充などを検討してまいります。

加えて、若者に本市の魅力を認識してもらい、住み続けたいと思ってもらえるよう、幼少期から郷土愛を醸成するためのインナープロモーション活動を進めてまいります。

居住環境の確保については、空き家等の有効活用を図るため、空き家情報バンクや空き家改修事業を継続して行うとともに、登録物件の掘り起こしに取り組んでまいります。

また、公営住宅等については、公営住宅等長寿命化計画に基づき、長寿命化やストック数の適正化を図りながら、住宅に困窮する高齢者、子育て世帯などへの快適で安全な居住環境の確保に努めてまいります。

さらに、市営団地の統廃合等による集約化については、集約によって生みだされる公有財産の有効活用を検討するとともに、民間賃貸住宅や空き家などの活用も踏まえ、入居希望者が安心して暮らせる居住環境を提供できるよう検討してまいります。

⑥生涯学習の推進

次に、生涯学習の推進についてであります。

本市の公民館事業については、地域住民の自主的な学びの場や地域づくりの活動拠点として、地域に根差した多彩な活動が展開されています。

今後においても、市民の身近な地域において「つどう」「まなぶ」「つながる」役割を担う公民館等を拠点に、生涯学習活動を充実させるとともに、特色ある事業を奨励し、公民館事業の活性化に取り組んでまいります。

次に、新たな図書館整備についてでありますが、図書館は、こどもからお年寄りまで幅広い層の学習に必要な図書や資料等を整理・保存するほか、人々が集い、出会い、交流することで新たな活動を生むサード・プレイスの一つとして、生涯学習の推進を図る上で重要な役割を持つ施設であります。

登米市図書館構想の基本理念に基づき、新たな図書館に求められる機能やサービスなどの具現化に向け、既存の図書館も含めた図書館サービスの向上に引き続き取り組んでまいります。

今後の施設整備については、機能・場所・規模を将来の人口動態に合わせて、既存の図書館とは別に、地域の公民館との連携や学校再編に伴う空き校舎の活用も見据えるなど、新たな図書館整備について取り組むこととしておりますが、現在、図書館機能を含む(仮称)地域交流センター整備事業の基本設計を実施しており、その上で総合的に判断してまいります。

⑦スポーツ活動の推進

次に、スポーツ活動の推進についてであります。

地域や学校における若者・こどものスポーツ活動の機会の充実と体力向上に努め、部活動地域展開の推進など関係団体と連携しながら、スポーツ活動の機会を創出するとともに、幅広い世代が気軽に体を動かし様々なスポーツに親しむ場を提供し、心身の健康と体力の向上を目指してまいります。

 

次に、施政方針に掲げる3つの重点政策の3点目、つながるまちづくりについてであります。

①子育て支援の充実

はじめに、子育て支援の充実についてであります。

本市では、これまで、結婚、妊娠、出産、子育ての各ステージにおいて、切れ目のない支援の充実を図り、次代を担うこどもを安心して産み育てられ、健やかに成長できる環境づくりに取り組んできたところであります。

乳幼児健康診査については、2カ月児、4・5カ月児、8・9カ月児、1歳6カ月児及び3歳6カ月児を対象として実施してまいりましたが、新たに「1カ月児及び5歳児」に対する健康診査を加えて実施することにより、出生後から就学前までの各年齢に応じた健康診査の実施体制を整備し、こどもの健やかな成長を支援してまいります。

また、令和8年度においては、質の高い教育・保育の提供を目指して、米山幼稚園とよねやま保育園を統合した米山こども園を開園するとともに、新たに創設される、すべてのこどもの育ちを応援し、こどもの良質な成育環境を整備することを目的とした「こども誰でも通園制度」や、子育てなどに対して不安や負担を抱える世帯へ訪問支援員を派遣する「子育て世帯訪問支援事業」の実施により、子育て世帯への支援を拡充してまいります。

②学校教育の充実

次に、学校教育の充実についてであります。

本市の教育課題の一つである不登校対策については、支援の充実に向けて体制を見直し、活き生き学校支援室に、新たに「こころの支援専門監」を配置してまいります。

さらに、けやき教室所長を兼務することで、一人一人のニーズに合った支援の総合調整を行い、学びの多様化学校の検討と併せて、総括的な支援の充実に取り組んでまいります。

本市においては、基礎学力の定着に向け、登米市学習スタンダードを実践してきており、授業で「分かった」「できた」と感じている児童生徒は確実に増加している一方で、全国学力・学習状況調査においては、全国及び県の平均正答率に届いていない状況にあります。

このため、年2回、市標準学力調査を実施することで、児童生徒の理解度の現状を把握し、それぞれの課題を踏まえた上でポイントを絞った授業改善や児童生徒への個別の指導を行うことで、学力向上を図ってまいります。

また、本市には豊かな自然や伝統芸能など数多くの教育資源があることから、それらを活用した体験学習や地域の方々との触れ合いの機会をつくり、「登米」の素晴らしさを認識し豊かな感性を育むとともに、故郷に対する誇りと思いやりの心にあふれた人材の育成に取り組んでまいります。

コミュニティ・スクールについては、学校運営協議会が主体となり、学校・保護者・地域が協働し工夫しながら学校運営に取り組んでおりますが、更なる充実を図るため、事例の共有や研修会を実施し、具体的取組を推進してまいります。

次に、学校再編については、令和4年4月に改定した登米市立小中学校等再編構想において、中学校の再編は、市内を4地域に区分し、4校とする方針としてきております。

しかしながら、少子化に伴う生徒数の減少は、構想改定時の想定を超えて進行していることから、適正規模とした全学年複数学級となるよう通学区域を考慮した上で再編構想を見直し、中学校再編を優先的に取り組んでまいります。

また、小学校再編については、再編構想・後期計画に位置付けている迫及び中田地域の小学校の再編について、具体的な開校時期など、今後、各地域での説明会などを開催し、段階的な統合も視野に入れ、保護者及び地域との合意形成を図りながら取り組んでまいります。

部活動の地域展開については、登米市地域クラブとして認定した団体から、部分的に休日部活動の地域展開を始めたところであります。

令和8年度においても、認定した団体の取組の効果と課題を検証しながら、更なる休日部活動の地域展開に向けて取り組んでまいります。

また、中高一貫校については、これまでの中学校・高等学校の制度に加えて、生徒一人一人の個性を伸ばし、学力の向上を図るため、生徒が6年間の一貫した教育課程で学ぶ機会を選択できるよう、本市への新たな中高一貫教育校の設置を県に働きかけてまいります。

次に、学校給食についてでありますが、本市では、安全・安心な「環境保全米」の全量提供に加え、地域の伝統食や地場産の農産物を活用した学校給食を提供してまいりました。

給食費については、これまでも物価高騰部分を本市で負担し、令和2年度から据え置いておりましたが、国の令和8年度からの小学校給食費の抜本的な負担軽減策、いわゆる給食無償化にあたり、支援の基準額を超える部分である不足分についても、本市で負担することで、小学校では学校給食費の完全無償化を実施いたします。

中学校については、小学校の完全無償化と併せて、本市独自でさらに現行の給食費を半額に引き下げる負担軽減策を実施することで、義務教育期間全体を通じた子育て世代の家計を支援してまいります。

なお、引き続き国に対して小学校給食費の完全無償化に向けた財政支援の拡充と、中学校給食費の早期無償化に向けて要望してまいります。

③市民協働・男女共同参画社会の推進

次に、市民協働・男女共同参画社会の推進についてであります。

市民協働の推進については、地域課題解決に向けた協働のまちづくりを推進するため、各コミュニティ組織において地域課題と目指すべき方向性を明らかにし、魅力ある住みよい地域を作るための地域づくり計画の策定を推進してまいりました。

計画に基づく各種事業の実施に当たっては、コミュニティ組織の活動基盤強化のため、集落支援員の配置と、がんばる地域づくり応援交付金により人的・財政的支援を継続してまいります。

さらに、市民活動団体が実施する地域の活性化に向けた自主的な活動を支援する地域協働まちづくり事業補助金や、若者ならではの柔軟なアイデアの事業化を支援する若者まちづくり事業補助金については、より多くの事業提案がなされるよう積極的な周知に努め、協働のまちづくりへの取組を後押ししてまいります。

男女共同参画の推進については、各種施策の指針として策定を進めている、第5次登米市男女共同参画基本計画に基づき、市民への啓発に取り組むとともに、関係団体と連携、協力し、中学生から高校生における、多様な性のあり方に関する各種研修会等を通して、正しい知識を身に付け行動する意識の高揚を図ってまいります。

また、一人一人が家庭や職場において、個性と能力を発揮しながら仕事と生活が調和する社会の実現を目指すため、市民や企業を対象としたワーク・ライフ・バランスセミナーを開催し、性別に関係なく男女とも家庭と仕事が両立できる働きやすい職場づくりの啓発に取り組んでまいります。

多様性が認められ、誰もが暮らしやすい協働のまちづくりを進めるためには、ホームページやメール配信サービス、市公式LINEなど、多様な情報発信手段を活用して積極的に情報提供するとともに、市長へのメールや提言箱、パブリックコメントなどを通じて、市民ニーズや地域課題を的確に把握することが重要だと捉えております。

市民の声を基本とし、市民に信頼される市政運営を進めていくために、より多くの意見や要望に耳を傾け、まちづくりに反映できるよう取り組んでまいります。

④文化財の保護と文化・芸術活動の推進

次に、文化財の保護と文化・芸術活動の推進についてであります。

本市では、貴重な文化財を後世に残していくため、文化財資料の調査や修繕など保護・保存を行い、公開により広く情報を発信し、活用に取り組むとともに、地域に継承されている無形民俗文化財等保持団体への支援を行ってまいりました。

無形民俗文化財等については、担い手不足や技術の継承などが課題となっていることから、令和8年度においても地域伝承行事や公演への支援、体験事業の拡充やこどもたちの発表の場の創出を継続して行ってまいります。

さらに、デジタル技術を活用した文化財の魅力発信を行い、地域の貴重な文化財を効率的に活用し課題の解決につなげてまいります。

また、文化・芸術活動は、市民生活に潤いを与えるものであり、すべての市民が生涯を通じて等しく文化・芸術を創造、発表、享受できる環境を整備し、心豊かな生活の実現に向けて関係団体等と連携しながら、その活動を支援してまいります。

⑤国際交流・地域間交流の推進

次に、国際交流・地域間交流の推進についてであります。

青少年海外派遣事業においては、海外姉妹都市等へ市内の青少年を派遣しております。

派遣では、本市の魅力を現地の高校生に紹介するため、英語によるプレゼンテーションを行っており、本市の魅力を深く調べる過程において郷土愛を醸成するとともに、派遣先でのホームステイや現地高校生との交流により、異なる文化や価値観に触れ、豊かな国際感覚を育む機会となっていることから、未来を担う青少年にとっての貴重な学びと新たな視野を広げる一助となることを目指して取り組んでまいります。

また、過去の派遣団員が海外協力隊員として国際貢献に携わるなど、登米市から世界へ羽ばたき、広くご活躍されているところであります。

国内姉妹都市との世代間交流の推進についてでありますが、国内姉妹都市である富山県入善町とは、児童・生徒の相互派遣による交流に取り組んでおり、令和7年度の市制施行20周年を契機として「扇状地マラソンINにゅうぜん」への派遣対象を市内全ての小学校児童に拡大し、令和8年度以降も継続してまいります。

⑥DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進

次に、DXの推進についてであります。

本市では、これまで市民の生活様式の変化に対応した行政サービスを提供するとともに、市民の皆様の利便性向上を目的に、インターネットを通じて行政手続が可能な「電子申請サービス」や、マイナンバーカードを活用し、各種証明書をコンビニなどで取得できる「コンビニ交付サービス」など、積極的にデジタル技術の活用を推進してまいりました。

令和6年度には、「登米市DX推進計画」を策定し、市役所窓口における「書かない窓口システム」の導入や、デジタル・ディバイド対策としての「スマホ教室」の開催、行政業務におけるペーパーレス化の取組を進めているところでもあります。

令和8年度においては、市役所窓口での各種証明書発行手数料の支払いに、クレジットカードや電子マネーが利用できる「キャッシュレス決済システム」の導入を進めてまいります。

また、24時間365日、いつでも、どこでも行政手続きを可能にする「行かなくともよい窓口」を実現するため、現行の「電子申請サービス」に「オンライン決済機能」を追加してまいります。

さらに、市役所に訪れる方の中で、言葉が聞き取りにくい方や日本語に不慣れな外国人の方向けに、音声をリアルタイムで認識・翻訳し、文字にしてタブレット端末に表示する「字幕表示システム」の導入を進め、市民の皆様の利便性向上に努めてまいります。

また、デジタル・ディバイド対策として「スマホ教室」を引き続き開催し、一人でも多くの方がデジタル技術の利便性を実感していただけるよう取り組んでまいります。

行政業務においても、引き続きペーパーレス化を推進し、行政文書の作成・管理や職員の勤怠管理など、紙からデジタルによる運用へと転換するため、新たな行政情報システムの導入を検討し、業務効率化を目的としたDXを積極的に推進してまいります。

⑦効率的な行財政運営の推進

次に、効率的な行財政運営の推進についてであります。

地方分権の進展により、自主性・自立性を高めた行財政運営への転換が求められている中において、本市の行財政運営は依然として厳しい状況であります。

さらに、価値観の多様化などに伴い、行政に対するニーズは高度化・多様化しており、効率的で効果的な行政サービスの提供が求められております。

今後、高度化・多様化する市民ニーズに対応していくためには、行政課題を的確に捉え対応できる組織体制の構築が不可欠であることから、業務量や専門性に応じた人員配置を推進するとともに、部局間の連携を深め、行政課題に対して迅速に対応できる組織体制づくりを進めてまいります。

次に、公共施設についてでありますが、登米市公共施設等総合管理計画に基づき、類似する施設の統合、集約化を推進し、令和17年度までの20年間で保有総延床面積の25パーセント縮減を目標に取り組んでおります。

令和8年度から計画後期の10年間となるため、これまでの課題を検証するとともに、登米市立小中学校等再編構想に伴う空き校舎の利活用等を踏まえ、企業誘致の方策も検討するなど、各施設の考え方や方向性などについて、計画の見直しを行い、保有総延床面積の縮減に努めてまいります。

また、施設の多機能化や複合化、長寿命化等を図るとともに、各庁舎の劣化や不具合等の状況を調査し、本市の財政状況も考慮した計画的な修繕に取り組むほか、未利用財産の積極的な売却や老朽化した建物の計画的な除却などにより、将来世代に負担を残さぬよう、公共施設の最適な配置と効率的な管理に取り組んでまいります。

次に、事務事業の適正な見直しと経費節減、財政の健全化に向けた取組についてでありますが、本市では、合併以降4次にわたり行財政改革大綱を策定し、令和6年度までに、約191億7千万円の効果を得たところでありますが、今後においても多様化・高度化する市民ニーズを的確に捉えた持続的な公共サービスの提供が課題と考えております。

このため、第5次登米市行財政改革大綱を策定し、令和8年度においても、引き続き効率的な行政運営に取り組んでまいります。

また、財政運営に当たっては、健全な財政運営を維持するため、「財政調整基金残高25億円の堅持」を掲げ、歳入に見合った持続可能な財政基盤の確立に取り組んでいるところであります。

市財政においては、市税や使用料及び手数料などの自主財源の割合は、歳入全体の30パーセントを下回り、地方交付税や国・県支出金などの依存財源に頼った歳入構造となっており、今後も地方交付税などの依存財源に頼った厳しい財政状況が見込まれるなか、歳出では、高齢化の進展による社会保障関係経費の増加や、老朽化した公共施設の維持修繕費など、多額の財政需要が見込まれています。

こうした情勢を踏まえ、令和8年度においては、中長期的な視点で市税等の収納率の向上と未収納額の縮減を図る取組に加え、ふるさと応援寄附金の受入件数と寄附額の増加に向けた取組により、自主財源の確保に努めるとともに、公共施設の適正化の推進に取り組み、将来的な維持管理費の縮減へとつなげ、持続可能な財政基盤を堅持してまいります。

3.令和8年度の当初予算

次に、令和8年度予算の概要について申し上げます。

令和8年度予算は、国の令和8年度地方財政対策や物価高騰などをはじめとした様々な社会・経済情勢を踏まえ編成したところであります。

令和8年度地方財政対策においては、地方交付税等の一般財源総額において、前年度を上回る額が確保されたことから、本市歳入においても、地方交付税等を増額して見込んだところであります。

歳出では、将来を見据え投資する事業として、米山地区公共施設複合化整備事業や学校再編施設整備事業等が本格化していく中、社会保障関係費、DXの推進や公共施設の維持補修費など、多額の財政需要が見込まれます。

こうした状況から、令和8年度予算編成においては、財源確保と歳出抑制を図りながら、第三次登米市総合計画に掲げる将来像の実現に向けて、事業の必要性・有効性・効率性等を重視しながら、学校給食費負担軽減事業や市外病院移動支援実証実験事業など、必要性が高いと認められる事業については積極的に投資し、予算を編成したところであります。

これにより、一般会計は511億1,234万6千円、特別会計は208億7,474万8千円、企業会計は199億8,979万2千円となり、総額では919億7,688万6千円となりました。

令和7年度当初予算と比較しますと、一般会計は3.0パーセントの増、特別会計は0.1パーセントの減、企業会計は7.5パーセントの減、予算全体では0.2パーセントの減となっております。

4.結びに

東京都を除く、多くの自治体において人口減少が叫ばれる中、本市においてもその傾向は同様であり、その減少幅をいかに少なくし、また、「登米市民で良かった」と実感していただけるまちづくりを、これまでも模索してきたと思っております。

私は、令和7年4月から市政の舵取り役を担い、このまちが持つポテンシャルを再認識するとともに、それを活かすには、さらなる工夫も必要であるとも感じております。

「在るものを見つめなおし、磨き上げる力」、「無いものを生み出す力」、その両方がバランスよく機能する時、今住んでいる市民の皆様の満足度が向上するとともに、新たに本市を「ふるさと」として選んでいただける人々が増える、そんなまちに成長できると確信しております。

そのためには、限られた財源を有効に活用することに加え、私自身の研鑽と職員の英知や努力を結集し、市民の皆様のご協力もいただきながら、「あふれる笑顔 豊かな自然 住みたいまち とめ」の実現に向け、職員と一丸となって力強く歩みを進めてまいります。

以上、施政方針とさせていただきます。

お問い合わせ

登米市まちづくり推進部まちづくり推進課

〒987-0511 登米市迫町佐沼字中江二丁目6番地1

電話番号:0220-22-2147

ファクス番号:0220-22-9164

メールアドレス:machizukuri@city.tome.miyagi.jp

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