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更新日:2024年2月2日

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令和6年度施政方針

本日ここに、令和6年登米市議会定例会2月定期議会が開会され、令和6年度一般会計予算案をはじめとする各議案のご審議をお願いするに当たり、私の市政運営に向けての所信の一端と主要施策の概要について述べさせていただきます。

なお、本施政方針は、第二次登米市総合計画に掲げる取組の推進を前提とし、所信表明における重点施策に基づき、令和6年度特に力を注ぐ取組の方向性について、お示しさせていただきます。

1.はじめに

本年1月1日、最大震度7を記録する「令和6年能登半島地震」の発生は、北陸地方を中心に大きな被害をもたらし、特に石川県では、お亡くなりになられた方や負傷者が多数出たほか、建物の倒壊や津波による被害、更には火災の発生など、広範囲に甚大な被害を及ぼしました。この度の地震により、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された多くの皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

東日本大震災発災時に、全国から多くの支援をいただいた本市におきましては、直ちに、被災者の皆様に対する義援金の受付を開始するとともに、これまで2回にわたり、アルファ米や飲料水、粉ミルク、紙おむつなどの支援物資を石川県輪島市にお届けしたところであります。また、人的支援として、登米市民病院から災害派遣医療チームDMATと住家の被害認定調査を行う職員を能登町に、応急給水活動に給水車1台と職員を珠洲市に派遣したところであります。今後においても、現地等の状況を注視し、全国市長会等と連携を図りながら必要な支援を行い、被災地の一日も早い復旧、復興を後押ししてまいります。

今般の震災により、いつ発生するかわからない災害から市民の皆様の生命と財産を守るため、適時・的確な災害対応の必要性を改めて痛感したところであり、本市においても、その備えを怠らぬよう、しっかりと取り組んでまいる所存であります。

さて、全国的に人口減少・少子高齢化が急速に進展しており、人口動態統計における令和4年の国内の出生数は統計開始以来、初の80万人割れとなり、過去最少を記録いたしました。本市においても初めて出生数が360人を下回るなど、その深刻さは同様であります。

また、最近の社会情勢をみますと、これまでのコロナ禍による地域経済の停滞や、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した物価高騰の波は、我々の日々の生活を直撃し、加えて中東情勢の緊迫化によって、深刻度は更に増しており、市民生活は依然として不安定な情勢にあります。

さらに、昨年は全国的に記録的な猛暑が続き、熱中症などの健康面はもとより、農作物等の生育にも大きな影響があったところであり、今後もこうした異常気象による影響を心配しているところであります。

一方で、我々の生活を一変させた新型コロナウイルス感染症は、令和5年5月に感染症法上の位置づけが5類感染症へと移行し、これまでの制限が緩和され、ようやく以前の市民生活や地域経済の回復への期待感も感じられつつあります。

このような本市を取り巻く情勢を踏まえ、今後の市政運営に当たっては、市民の皆様の安全・安心に資する取組、市民生活の安定を継続させる施策をベースとしながら、デジタル化の推進などによる市民の皆様の利便性の向上、脱炭素化などをはじめとする次世代への投資に主眼を置き、今やるべき施策を着実に実行し、未来に向けたまちづくりを推進してまいる所存であります。

本年は、本市市制施行から20年目の節目の年となります。令和7年度を終期とする第二次登米市総合計画の次期計画について、令和6年度から策定作業を本格化させてまいります。また、令和7年には記念すべき20周年を迎えることから、更に20年、30年先の登米市の持続的な発展に向けて、市民の皆様とともに新しい一歩を踏み出すため、記念事業の実施に向けた準備にも着手してまいります。

2.市政運営の7つの重点施策(7つの軸)

はじめに、基軸となる安全・安心に暮らせるまちづくりについてであります。地域経済を取り巻く情勢は、不安定な国際情勢に起因する物価・エネルギー価格高騰の煽りを受け、依然として市民生活は大きな影響を受けております。これまで、「とめ地域応援商品券」の発行など、本市独自の支援事業により、市民生活の安定に取り組んできたところでありますが、現在の物価高騰は、自治体の範囲を超えた全国的な問題であり、引き続き、国・県に対し、地域の声を届け、必要な要請を行いながら、国や県及び地域の景気動向や経済の状況を注視し、適時、必要な施策を講じてまいります。

また、本市の基幹産業である農業においても、肥料や飼料等の生産資材費やエネルギー価格の高騰など、大変厳しい経営状況にあります。このため、国では、再生産に向けた支援策を講じておりますが、農業経営を支えるセーフティーネットとしてはまだ不十分であると認識しており、今後もしっかりと対策を講じていただくため、私自ら直接県選出国会議員に対し要望活動を行うとともに、県市長会等を通じ、国に対し支援策について強く要請してまいります。

次に、今後の新型コロナウイルスワクチン接種の見通しについてであります。現在の接種費用を全額公費で負担する特例臨時接種は令和5年度末で終了し、令和6年度以降は自己負担により接種が継続される見込みであります。今後、国から具体的な内容が示され次第、方針をお知らせするとともに、接種を希望される方が引き続き安心して接種できるよう、接種体制を整備してまいります。

また、昨年は、異常とも言える暑さが続き、本市においても熱中症の症状により100人を超える方が救急搬送されるなど、危険な暑さへの対策が急務であると捉えております。このため、市公式ホームページ等で熱中症予防の注意喚起をするとともに、緊急的な対策として、公共施設をクーリングシェルターとして開放するなどの措置を講じたところですが、今年の夏においても、気象の長期予報や、国・県が示す熱中症の情報、最新の予防対策を注視し、暑くなる前から、健康セミナー等において、予防対策の啓発を行うとともに、熱中症が多く発生する時期には、緊急告知放送及び緊急告知ラジオにより注意喚起するなど、市が講ずるべき対策を迅速に実施し、熱中症予防に取り組んでまいります。

次に、災害への備えについてでありますが、近年の激甚化・頻発化する災害や道路等社会基盤施設の老朽化等に対応すべく、登米市国土強靱化地域計画を踏まえ、国の国土強靱化対策等の動向を注視しながら、有利な財源を確保し、計画的な修繕や適切な維持管理に努めてまいります。

また、佐沼工区の開通により、利便性が高まっている、みやぎ県北高速幹線道路は、高速道路体系の縦軸となる東北自動車道と三陸沿岸道路を横軸として結ぶ地域高規格道路であり、それぞれと直接乗り入れすることにより、県北地域の高速道路ネットワークの更なる向上及び自然災害などの有事の際に緊急輸送路としての効果が最大限発揮されるものと捉えており、第Ⅴ期区間のミッシングリンク解消はもとより、三陸沿岸道路の4車線化を見据えた直接乗り入れが早期事業採択されるよう、関係機関に粘り強く要望してまいります。

河川の浚渫については、国の緊急浚渫推進事業を活用しながら、大雨による被害が大きかった市管理河川を対象とし、堆積土砂や支障木の撤去を進めており、着実に災害発生のリスク軽減が図られていると捉えております。引き続き河川浚渫事業を実施するとともに、より多くの河川に対応するため、国に対し、令和6年度までとされている緊急浚渫推進事業の事業期間を延伸するよう、働きかけてまいります。

また、市街地における排水機能の向上に資する取組としては、迫町大東地区の雨水排水路整備事業を、令和6年度の完了を目指して実施しており、引き続き、県が行う長沼川放水路整備と調整を図りながら、浸水被害の軽減に向け事業を推進してまいります。なお、令和5年度から、迫町佐沼中江地区の道路側溝の土砂撤去にも取り組んでおり、これを継続して実施し、市街地の浸水被害の軽減につなげてまいります。

次に、防災・危機管理についてでありますが、本市では、令和8年度からの消防指令システムの共同運用に向けて、関係機関と協議を進めているところであります。今後においても、広域的な連携により、更なる消防力の強化に向けた取組を進め、市民の皆様の安全・安心の確保に努めてまいります。

また、近年、団員数の減少が課題となっている消防団については、加入促進のため、消防団員を雇用する事業所において、団員が活動しやすい環境整備と連携強化を推進し、団員を雇用する消防団協力事業所表示認定事業所を増やすなど、団員の確保に向けた取組と併せ、消防団組織の再編に向けた協議を進めてまいります。

なお、登米市避難行動要支援者支援マニュアルについては、令和5年度中に見直しを行うこととしており、避難支援対策の基本的な考え方や進め方について、関係機関及び行政区長や自主防災組織、民生委員・児童委員等への説明と周知を図り、避難行動要支援者名簿の活用による平時からの地域での見守りや声掛けとともに、避難支援関係者との連携と情報共有に努め、実効性のある避難支援体制の構築に取り組んでまいります。

さらに、災害発生時の避難支援を迅速に実施するため、要支援者一人一人について「誰が」「誰を」「どう支援するか」などをあらかじめ定める個別避難計画の策定を促進し、地域における安全・安心の確立を目指してまいります。

本市では、災害時、緊急告知放送及び緊急告知ラジオでの音声情報に加え、メール配信サービスなどの文字情報を提供しておりますが、高齢者や障がい者などの災害時要支援者の方に対する情報伝達が課題であると捉えております。このため、現在、県が実証実験を行っている「デジタル身分証アプリ」を活用した自然災害用防災アプリの導入に向けた調査・研究を進め、情報を受信することが困難な要支援者の方をはじめ、市民の皆様への更なる情報伝達手段の拡充に努めてまいります。

次に、社会基盤の整備についてでありますが、市道については、幹線道路の整備や集落内、集落間を結ぶ道路整備に継続して取り組み、市民の皆様の安全確保と利便性の向上に向けて、順次、改良や舗装などを実施してまいります。なお、現道の舗装整備を行う、きめ細かな道整備事業については、令和4年度からの3年間を集中整備期間と位置づけ、整備を進めてきたところであり、最終年となる令和6年度においても着実に整備を進め、計画路線の整備完了に向けて取り組んでまいります。

公共交通については、令和6年度において、地域公共交通を持続可能なものとするため、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」に基づく「地域公共交通計画」の策定に着手し、公共交通の充実・強化を図ることにより、コンパクトシティ・プラス・ネットワークを推進してまいります。なお、デマンド型乗合タクシーについては、新たに実証運行に取り組む地域コミュニティ組織を支援するとともに、更なる導入地区の拡大に努めてまいります。

水道事業については、現在、本市の基幹浄水場である保呂羽浄水場の再構築事業に取り組んでおり、令和11年度の完成を目指し、着実に事業を推進することにより、市民の皆様が安心して暮らせるよう、強靱なライフラインの構築を図ってまいります。

次に、ゼロカーボンシティの取組についてであります。令和4年度の施政方針において「ゼロカーボンシティ」を表明し、本市ではこれまで、公共施設の省エネ推進や住宅用新エネルギー設備導入支援、電気自動車等導入支援など、二酸化炭素排出量削減の取組を進めてまいりました。今後においては、地球温暖化対策地域推進計画を改定し、新たな削減目標や再生可能エネルギー導入目標、脱炭素ロードマップを示しながら、市民の皆様や事業者の皆様と一丸で取り組む機運を醸成してまいります。そのためには、市民の皆様や事業者の皆様、更には将来を担う子どもたちの関心を高め、理解を促進することが重要であることから、シンポジウムや出前講座、中学生を対象としたジュニアミーティングによるゼロカーボンシティの普及啓発を図ってまいります。なお、一体感や参加意識の醸成を図る「ゼロカーボンシティとめ推進メンバー登録制度」の創設や、各家庭や事業所における二酸化炭素排出量を「見える化」するCO2家計簿の普及、製品プラスチックごみの再資源化の推進などにより、一人一人の行動変容を促し、それぞれの主体的な取組につなげることで、更なる二酸化炭素排出量の削減を推進してまいります。

また、森林が持つ二酸化炭素吸収量については、カーボン・オフセットに取り組む企業等へ販売し、持続可能な森林整備に取り組んでまいりましたが、昨年、こうした取組が認められ、林野庁が主催する「森林×脱炭素チャレンジ2023」のJ-クレジット部門において、林野庁長官賞を受賞したところであります。これを励みに今後においても、本市の現時点においてのオフセット・クレジットの販売促進に継続して取り組むとともに、国が認定するJ-クレジットの新たな認証取得についても検討してまいります。

農業分野においては、水稲栽培における中干しにより、水田からのメタン排出量を削減できることが確認されており、令和5年度にはJ-クレジット制度における新たな方法論として認証され、削減量の取引を行うことが可能となったことから、環境に配慮した農業の推進とクレジットの販売収入による農業経営の改善にもつなげていくため、農業者や関係機関と連携しながら、新たな排出量取引について検討を進めてまいります。

 

次に、地域医療の充実についてであります。これまで、市立3病院の機能分化や連携強化など、経営改善に向けた取組を推進するとともに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大時には、市医師会にご協力いただき、地域において必要な医療の提供に努めてまいりました。その結果、病院事業の経営状況は令和3年度に資金不足の解消が図られ、令和4年度においても黒字決算となるなど、取組による一定の効果が表れてきたところであります。しかしながら、令和5年度は、新型コロナウイルス感染症に関連する補助金の大幅な減収が見込まれるほか、物価高騰に伴う経費の増加など、経営を取り巻く環境は更に厳しさを増しておりますが、令和6年度においても組織を挙げて経営改善を推進してまいります。

また、登米市病院事業中長期計画を令和5年度中に改定いたしますが、地域の基幹病院として位置付ける登米市民病院に急性期医療を集約し、回復期・慢性期医療を担う米谷病院及び豊里病院が、容態の安定した患者の受け入れを行う機能分化を更に進め、地域の医療機関と更なる連携強化を図りながら、持続性のある地域医療提供体制の確保を推進してまいります。

今後も需要が見込まれる在宅医療においては、市立病院からの退院後、在宅での療養が必要となる患者様については、生活圏域にある医療機関への紹介を行うなど、地域内での継続性のある医療の提供が図られるよう、関係医療機関との連携を図ってまいります。

次に、病院事業におけるデジタル化についてでありますが、医療の質の向上や医師の働き方改革の推進、病院経営の効率化を図る上で、デジタル化は重要な取組であると捉えており、令和6年度においては、豊里病院への電子カルテシステムの導入を進めてまいります。

また、国が進めるマイナンバーカードのオンライン資格確認については、医療保険事務の軽減及び患者様の利便性向上が期待できることから、医療DX推進の一環として利用範囲の拡大に努めてまいります。

医師確保の取組としては、東北大学病院、東北医科薬科大学病院並びに宮城県に常勤医の派遣要請を継続するとともに、令和6年度から開始される働き方改革の取組も進め、働きやすい職場環境づくりに取り組んでまいります。初期研修については、登米市民病院の研修プログラムを選んでもらえるよう、協力型病院と連携して指導体制や研修内容の充実を図り、研修医の確保に努めてまいります。なお、後期研修では、総合診療分野で、令和5年4月に登米市立病院と診療所において、一般社団法人日本地域医療学会の地域総合診療専門研修プログラムの認定を受けたことから、東北大学寄附講座と連携して総合診療専門医の育成にも努めてまいります。

また、東北医科薬科大学の東北地域医療支援修学資金や宮城県医学生修学資金の貸付けを受けた医師の配置についても、関係機関から情報収集しながら、市立病院への配置につながるよう取り組んでまいります。さらに、本市の医学生奨学金制度を利用した医師1名が、令和6年度から勤務予定となっておりますので、今後も受入体制の整備を図ってまいります。

地域医療人材の確保では、令和6年度は診療看護師が3名体制となるほか、更に1名を養成機関へ派遣する予定であります。診療看護師は介護施設の入所者や、開業医との契約による患者訪問など、主治医のサポート役として活動の幅を広げてきておりますので、地域包括ケアの新たな担い手として認知されるように、関係機関との連携を深めてまいります。

また、本館が竣工から30年、南館が増築竣工から49年が経過する登米市民病院については、施設整備に向けた具体的な取組を進める必要があることから、新しい病院のコンセプトや整備候補地のほか、地域医療構想との整合を図りながら、登米市民病院整備基本方針の策定に取り組んでまいります。なお、方針の策定に当たっては、内部の検討組織の立ち上げや県などの関係機関との協議を行うとともに、市民の皆様並びに議員の皆様からご意見をいただきながら、取組を進めてまいります。

 

次に、教育振興についてであります。学校教育におきましては、一人一台端末によるデジタル教科書の活用を通して、児童生徒一人一人に応じた学習支援、児童生徒相互の協働学習やオンライン授業に取り組んでいるところであります。今後も「登米市学習スタンダード」の実践と、より分かる授業づくりにICTを積極的に活用するなど、教育のDX化を推進してまいります。

いじめや不登校に関しては、家庭、学校、関係機関と連携し、各学校配置のスクールカウンセラーや「けやき教室」と「こころのケアハウス」を一体化した「さくらの木」による相談活動の充実を図り、一人一人の状況等に合わせ、児童生徒に寄り添いながら、きめ細かに対応してまいります。

近年課題となっている不審者対策については、各学校において作成している危機管理マニュアルに基づく対応を確認しながら、警察や関係機関、地域との連携を図り、不審車両や不審者対策の講習・訓練を実施するなど、対策を強化してまいります。

学校再編の取組としては、東和地域において、米谷、錦織及び米川の各小学校を統合し、新設する(仮称)東和小学校の円滑な開校に向け、取り組んでまいります。米山地域の小学校においては、統合に向けた具体的な事項について、引き続き開校準備委員会で協議・検討を進めてまいります。さらに、南方地域については、統合小学校の校舎整備の具現化を図ってまいります。また、中田及び迫地域の小学校再編と、中学校再編については、登米市立小中学校等再編構想及び地域の実情を踏まえながら、地域の皆様との合意形成に向けて取り組んでまいります。

米山地区における公共施設複合化整備事業については、統合小学校の環境整備のほか、生涯学習環境及び子育て支援環境等の向上を図る多世代交流拠点を整備するため、実施設計に基づき建築工事に着手し、引き続き事業を推進してまいります。

学校給食センターについては、再編整備の具体化を進めており、施設整備に向けた実施設計に着手し、給食の安全かつ安定的な提供体制の構築に向けて、事業の推進を図ってまいります。

新図書館の整備に向けた取組としては、令和5年10月に登米市図書館構想の改定を行い、新図書館の整備方針を策定したところであります。今後、新図書館が市民の皆様、誰もが利用しやすい施設となるよう、(仮称)地域交流センター整備との整合を図りながら、機能やサービスの充実に向けた具体的な検討を進めてまいります。

地域伝承文化の継承については、少子高齢化などに伴い、担い手の確保や技術の継承などが課題となっております。このため、地域伝承行事や公演の情報発信、体験事業の更なる拡充や子どもたちの発表の場の機会を創出するなど、後継者の育成に取り組み、地域伝承文化を次世代へと継承してまいります。

 

次に、人口減少対策についてであります。はじめに、移住・定住については、これまで、本市の住みよい環境の周知のほか、空き家情報バンク及び空き家改修事業等による住環境整備に対する支援を行い、移住・定住者の増加に努めてきたところであります。令和6年度においては、本市出身の若者の地元回帰と地域への定着を促すため、奨学金返還支援事業を推進するとともに、従来の移住体験ツアーに農家民泊のプログラムを取り入れ、移住を検討されている方々に農業体験等を通して、本市の暮らしや農業の持つ魅力を体験していただく新たな取組を行い、移住・定住を促進してまいります。

また、遊休施設を活用したコワーキングスペースやサテライトオフィスなどについては、入居する起業家や企業等が本市に定着することが重要であることから、働き方が多様化する中で本市を選んでいただくため、ニーズをしっかりと把握し、遊休施設の有効活用とともに、空き家等の利活用による住まいの確保を支援することにより、本市への定着へと結び付けてまいります。

子育て支援施策については、産前・産後サポート事業や産後ケア事業をはじめ、誕生祝金や出産・子育て応援金の支給、医療費助成等、妊娠期から出産・子育てまで、切れ目のない相談支援、経済的支援を実施しており、本市の支援施策は充実してきているものと捉えております。今後においても、こうした子育て支援施策について、市公式ホームページやモバイルサイト「登米っこすこやかナビ」、更には、こどもまつり等のイベント時など、様々な機会を捉え、広く周知を図るとともに、分かりやすく、充実した情報発信に努め、子育てしやすい環境づくりに取り組んでまいります。

次に、若者の育成・交流についてでありますが、令和6年度から新たに、若者が主体となり、市内の魅力発掘・向上等を目的とした自主的・自発的なまちづくり活動に対する補助制度を創設し、将来を担う若者の活動を後押ししてまいります。また、スケートボード施設の整備を推進し、若者や家族連れなど、市内外の幅広い世代の交流の場の創出につなげてまいります。

男女共同参画の推進に当たっては、市民の皆様や各種団体、企業等と相互に連携し、男女ともに家庭と仕事の両立ができる環境づくりを推進するため、ワーク・ライフ・バランス研修会を開催するとともに、男女労働者の均等な雇用を図るポジティブ・アクションに取り組む市内企業等を支援するなど、働きやすい職場づくりの啓発に努め、ジェンダーギャップの解消に取り組んでまいります。

また、登米人権擁護委員協議会等の関係団体との連携のもと、中学生を対象としたLGBTQ+研修会の開催により、多様な性についての正しい知識と理解を深めていただくとともに、高校生へのDVに関する研修会を通じて、犯罪となる暴力の根絶に向けた取組を推進してまいります。

次に、中心市街地の活性化と地域拠点の振興についてでありますが、令和5年12月に策定した立地適正化計画を踏まえながら、生活に必要な都市機能の維持と各町域間を結ぶ公共交通ネットワークの充実により、コンパクトで持続可能なまちづくりに向けた取組を進めてまいります。

特に、中心市街地にあっては、立地適正化計画において都市機能誘導施設として位置づける(仮称)地域交流センターについて、まちづくりの核となる多機能型複合施設として、利便性の高い市民サービスを提供するとともに、多くの市民の皆様が集い、にぎわう交流拠点として整備を図ることにより、中心市街地のにぎわい創出に向けた取組を進めることとしております。本施設の整備に当たっては、将来への負担をできる限り少なく、次世代へ引き継ぐ施設整備が進められるよう、立地適正化計画の策定により対象となる国の補助制度や合併特例債などの活用を図ってまいります。令和6年度は、施設整備に向けた具体的な検討を進めるため、令和5年度に引き続き、基本構想及び基本計画の策定を行うこととしており、市民の皆様や市内事業者の皆様などから広くご意見を伺いながら、議会の中心市街地等活性化特別委員会とともに議論を重ね、整備に向けた取組を進めてまいります。また、施設名称についても、市民公募などによる選定に向けた具体的な検討を進めることとしており、多くの皆様に親しまれる施設になるよう、取り組んでまいります。

 

次に、産業振興についてであります。本市農業の強みは、全国に先駆けて取り組んできた環境保全型農業であり、広大な農地と畜産が融合した耕畜連携による資源循環型農業であります。今後においても、生態系や環境への配慮を欠かさない、持続可能な農業を推進し、全国に誇る本市農畜産物を磨き上げ、農業の活性化に全力で取り組むとともに、「みどりの食料システム戦略」に基づく、「オーガニックビレッジ」の取組を推進してまいります。

今後、農家数の減少、高齢化がより一層進む中、農地を守り、農業経営を維持・発展させていくため、担い手の確保対策は、本市農業の大きな課題であります。このため、担い手確保対策の1つとして、新規就農希望者への相談会を関係機関・団体等と連携を図りながら実施し、就農前から定着に至るまで一貫した伴走型の支援に努めていくとともに、将来の地域農業を担う中心経営体の育成については、農地の集積・集約化による経営規模の拡大や法人化等の経営基盤強化に向けた支援を行ってまいります。さらに、地域農業を支える兼業農家や家族経営体などの多様な担い手に対する必要な支援にも取り組んでまいります。

また、地域農業の目標地図を含む地域計画の策定に当たっては、現在、地域毎にワークショップを開催しているところであり、地域の農地利用を明確化し、担い手が希望を持って農業に取り組むことができるよう、10年後の本市農業の姿を描いてまいります。持続可能な農業の実現に向けては、最先端技術を活用したスマート農業の普及が極めて重要であると認識しております。宮城県では、令和4年度、GPS等の位置情報の測位精度を向上させるRTK基地局を設置しており、令和5年12月末現在21名の方が基地局を活用し、自動運転の精度を向上させ、労働力の軽減や農作業の効率化に取り組んでいるところであります。今後も関係機関と情報の共有、連携を図りながら、継続してスマート農業の導入支援を行うとともに、ほ場の大区画化に合わせた、遠隔監視や自動水管理システム等の導入、ドローンを使った病害虫防除など、本市が目指す農業の持続的発展に向けたスマート農業の推進方針を取りまとめ、更なる普及推進に努めてまいります。

農業生産を支える基盤整備については、令和5年度より本格的な整備がはじまった沼崎・大平地区のほか、今後、計画している農地整備事業についても、農地の利用集積による生産性の向上を図るため、積極的に推進してまいります。

本市農業の柱である水田農業については、主食用米の生産はもとより、輸出用米、加工用米や飼料用米等を含めた幅広いニーズに対応した米づくりと大豆や高収益な園芸作物、盛んな畜産業を生かした稲発酵粗飼料や飼料作物の作付を中心に、効率的な水田農業の実現を目指す必要があると捉えております。

主軸となる主食用米については、令和5年産において記録的な猛暑の影響により等級低下が心配されましたが、主力品種である「ひとめぼれ」は約90パーセントの1等米比率を確保し、高品質・安定生産の実績が評価されていることから、今後更に「米どころ登米市」の存在感を高めてまいります。

また、基幹的な転作作物である大豆や収益性が期待できる、ばれいしょ、トマト等の加工及び業務用野菜の作付を推進するため、農地集積・団地化等による作業の効率化と機械化一貫体系の促進を図るとともに、本市独自の高収益作物転換等推進事業を実施し、作付の拡大を支援してまいります。

このような状況の中、国では、水田活用の直接支払交付金に係る5年の水張り要件を設けるとともに、交付対象水田から除外される畑地化への移行を促しておりますが、生産現場においては、こうした方針への撤回・緩和を求める声が非常に大きいことから、国に対して、引き続き地域の声を強く訴えてまいります。

次に、防疫対策についてでありますが、豚熱については、全国各地の養豚場で感染が確認されており、市内においても、令和5年11月と12月に捕獲された野生イノシシから豚熱の感染が確認され、養豚の一大産地である本市においては脅威となっており、毎年、県と合同の防疫訓練を行うなど、今後の家畜伝染病発生時における拡大防止に努めているところであります。また、高病原性鳥インフルエンザについては、昨年、大崎市の蕪栗沼や本市の長沼で野鳥の感染が確認され、その影響が懸念されております。今後においても、養豚及び養鶏農家への消毒用消石灰の配布など衛生管理に対する支援を継続し、県や関係機関との連携強化を図りながら防疫対策に取り組んでまいります。

放射性物質に汚染された指定廃棄物については、国の指示のもと、未だに長期保管を強いられており、地域の皆様の不安が続いていることから、国の責任において早期に処分を進めるよう、議会とともに強く要請しており、現在、農家負担の軽減に向け、環境省との協議を重ねているところであります。また、8,000ベクレル以下の一般廃棄物については、土壌還元による処理を継続しており、令和13年度までの処理完了に向け、計画的かつ着実に進めてまいります。

次に、林業の振興については、木材価格がウッドショックにより一時的に高騰したものの、現在は再び低迷しており、林業を取り巻く厳しい情勢に変わりはなく、川上から川下まで切れ目のない施策を展開する必要があると認識しております。市内産木材の活用促進については、市内における木材需要の確保を図るとともに、令和5年3月に東京都港区と「間伐材を始めとした国産材の活用促進に関する協定」を締結したほか、東京都豊島区や神奈川県横浜市など、木材の一大消費地である都市部における市内産木材の需要拡大に取り組んできたところであります。今後においても、環境に配慮した持続可能な本市林業の取組をPRし、選ばれる木材として売り込みを図ってまいります。さらに、令和6年度から、森林環境税が国税として、個人住民税均等割と併せて1人年額1千円の賦課徴収も開始されます。こうしたことも踏まえながら、今後も森林整備に向けた取組を計画的に進めてまいります。

近年、洪水や土砂災害を引き起こす局地的な大雨による災害が頻発化しており、林地残材が下流へ流れ込むことによる被害の拡大が懸念されております。こうした課題に対しては、伐採者への確認・指導をしっかりと行うなど、林業関係者が共通認識を持って適正な森林施業に努めるよう取り組んでまいります。

次に、商工業の振興についてでありますが、コロナ禍の影響に加え、あらゆる生産コストが高騰している厳しい経営状況を踏まえ、継続して市内事業者の資金繰り支援や新商品等の開発・販路開拓など、地域経済の活性化に向けた経営支援に努めてまいります。

また、開催を見合わせていた多くのイベントが再開され、社会活動の活発化の期待も高まっていることから、商業の活性化に向け、ビジネスチャンス支援事業を充実させ、空き店舗の活用を更に推進するとともに、商店街や各種団体が行うイベント等の開催を支援し、地域のにぎわい創出と魅力の向上に取り組んでまいります。

企業誘致については、登米インター工業団地に市内製材所の事業拡大による立地が決まり、木材加工の拠点として地域林業の活性化が期待されるところであります。今後においても、残る長沼第二工業団地への早期立地をはじめ、未利用施設への誘致など、企業情報の収集に努め、私自身、積極的にトップセールスを展開し、暮しやすさも含めた本市の魅力を発信し、全力で企業誘致活動に取り組んでまいります。

観光振興については、令和5年度において、コロナ禍で注目されたワーケーション環境の整備を行い、新たな観光客層の誘客を目指すとともに、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行を契機に、市内イベントの復活に向け、観光客の動向等をテーマとした勉強会の開催やマルシェイベント「とめまる」を新たに開催し、市内観光関係者の連携強化と、にぎわいの回復に努めてきたところであります。今後においては、個々のイベントの特性を生かしながら、各イベントの相乗効果を狙い、例えば、スポーツイベントと産業イベントを掛け合わせたコラボレーションイベントの開催などについて、関係団体との検討を始めさせていただき、本市のにぎわいの創出を図ってまいります。

また、国内に向けては、本市の魅力を発信するシティプロモーションサポーターを中心に活動の更なる活発化を図り、国外に向けてはALTと連携した情報発信の充実に努めるとともに、新たにロケツーリズム協議会に加入し、映像・広告制作者などに本市の魅力を積極的に売り込む取組を行うなど、本市の情報発信力を強化し、観光誘客につなげてまいります。

 

次に、健康なまちづくりについてであります。本市では、脳血管疾患による死亡率や、子ども、大人ともに肥満割合が高いことなどが健康課題となっております。このため、本市では、市民の皆様に適塩や野菜の摂取向上など、バランスの良い食習慣に向けた意識を持っていただくことが重要であると捉えており、平成29年度から「尿中ナトリウム・カリウム比」を軸とした取組が、幅広く住民へ波及・定着しており、市民の皆様の理解や血圧改善につながっております。こうした本市の取組が認められ、令和5年11月、スマートみやぎ健民大賞を受賞したところであります。今後においても、高血圧対策として有効な尿ナトカリ比測定を健診会場で行うほか、企業や関係団体と連携して、小学生の親子を対象としたナトカリレシピコンテストや食と農の連携推進事業などを実施し、「適塩!プラス野菜あと一皿」の推進に努めてまいります。

また、肥満対策としては、子どもの肥満が将来の生活習慣病につながる可能性があることから、幼児期の親子を対象とした食と運動の教室を実施し、バランスのとれた食事や運動の習慣化などの望ましい生活習慣の定着を促し、市民の皆様、自らが主体的に健康づくりに取り組めるよう支援してまいります。

高齢者を対象とした保健事業としては、令和5年度において、市内の全日常生活圏域を対象に、健康状態が不明な高齢者及び糖尿病の重症化のリスクが高い高齢者に対して、その状態に応じた医療や介護など、必要なサービスにつなげる取組を進めてまいりました。また、介護予防事業と連携し、地域における「通いの場」であるミニデイサービス等の中で健康教育・健康相談を行い、加齢による心身虚弱、いわゆるフレイルの予防に取り組んできたところであります。今後においても「通いの場」における積極的な関与等を継続するとともに、地域における高齢者の健康課題の1つである低栄養に関する取組を進め、介護予防と生活の質を意味するQOLの向上に努めてまいります。さらに、全ての高齢者が気軽に健康相談をできる環境づくりを行うなど、きめ細かな保健事業を実施し、健康寿命の延伸を図ってまいります。

次に、高齢者福祉についてでありますが、住み慣れた地域で自立した生活が送れるよう、在宅生活の支援や介護予防の取組を継続するとともに、福祉・介護・医療などの連携による地域包括ケアシステムの深化・推進を図ってまいります。

また、高齢化の進展に伴い、認知症対応への必要性が増していることを踏まえ、本市ではこれまで認知症に関する情報や症状に応じた適切なサービスを受けられるよう、内容をわかりやすくまとめたガイドブックを作成し、周知・啓発を図ってきたほか、認知症サポーターを対象とした、ステップアップ講座を開催するなど、認知症の方やその家族を地域で支える取組を進めてまいりました。今後においては、認知症の方やその家族同士が語り合える交流の場を設け、心理的サポートを含め症状に応じたサービスや支援を行ってまいります。

次に、妊娠期や子育てに係る相談支援についてでありますが、本市では、母子保健部門において、保健師等が母子の健康づくりや育児の不安や悩み等の相談支援等を行うとともに、児童福祉部門では、ヤングケアラーや児童虐待等、困難な状況にある子どもや家庭に対し、関係機関と連携しながら早期発見と適切な支援に結び付けております。令和6年度においては、より迅速な対応を図るため、母子保健部門と児童福祉部門において実施している相談支援等を一体的に実施する組織体制を整備し、全ての妊産婦及び子育て世帯、子どもに対し、切れ目のない支援に努めてまいります。

人権擁護の取組としては、障がいをお持ちの方に対する理解の促進と差別の解消に向けて、市内公共施設や商業施設等に障がい者への配慮に関するパンフレットを設置し、理解啓発に努めるとともに、障害福祉サービス事業所を対象とした、虐待の防止や問題の早期発見のための研修会を開催するなど、安心して日常生活や社会参加が行えるよう取り組んでまいります。

また、国立ハンセン病療養所の所在地である本市としては、ハンセン病に対する正しい知識の普及啓発や東北新生園の歴史を正しく伝えていく責務があると捉えており、関係機関と協力しながら、市民理解の深化に努めてまいります。

なお、現在、すべての市民の皆様が不当な差別を受けることなく、人権が尊重され、自分らしく安心して暮らすことができるまちを目指し、「(仮称)人権擁護に関する条例」の制定に向け取り組んでおります。この条例において、本市の総括的な人権の考え方や方針を明らかにし、更なる人権意識の高揚や人権教育の推進を図ってまいります。また、子どもたちに対しては、いじめ対策をはじめ、道徳の授業などで児童生徒の発達段階に応じた、自己を見つめ、他者を共感的に理解する力を培うなどの人権教育の推進により、人権尊重の意識を育んでまいります。

 

次に、効率的な行財政運営についてであります。本市では、財政の健全化に向けて、効率的で効果的な行政サービスの提供と歳入に見合った歳出を基本とし、職員一人一人が強い経営意識を持ち、全庁一丸となって行財政改革に取り組んでおります。令和6年度からは、地方公会計制度の予算仕訳方式の本格導入により、財務書類の作成期間の短縮を図り、この財務書類で得られる数値等を活用することで、施設維持管理経費のフルコストでの把握や公共施設のマネジメントにつなげるなど、制度の効果的な活用に向け、取り組んでまいります。

公共施設に関しては、公共施設等総合管理計画のもと、類似する施設の統合、集約化を推進しながら、令和17年度までの20年間で保有総延床面積の25パーセント縮減を目標に取り組んでいるところであります。今後は、未利用財産に関する情報の公表や民間活用の可能性サウンディング型市場調査などを行うほか、老朽化した建物の除却や土地の境界確定などの条件整理が整ったものから積極的に売却等を行い、未利用財産の多様な利活用の促進を図るとともに、計画的な施設修繕を行い、公共施設の適正な管理に努めてまいります。

歳入確保の取組としては、これまで国・県とも協議しながら、法定外税の導入に向けた課題を整理しているところであり、引き続き、目的や使途、課税客体など、新たな制度設計について検討を進めてまいります。

ふるさと応援寄附金については、寄附の拡大に向け、体験型返礼品の開発など魅力ある返礼品の充実や寄附者とのつながりを持つ取組に加え、観光等で本市を訪れた方が店舗等で返礼品を受け取れる仕組の導入を進めてきたところであり、令和5年度の寄附額は前年度実績を上回っております。令和6年度においては、本市ならではの魅力的な返礼品の充実に努めるほか、ポータルサイト情報の充実やサイト上におけるPRの強化を図るとともに、本市のサポーターとなっていただけるよう、寄附金を活用した事業や返礼品提供事業者の思いをまとめたパンフレットを送付するなど、より多くの皆様に本市を応援していただく取組を進めてまいります。企業版ふるさと納税については、企業と自治体とのマッチングを図る契約を金融機関と締結したことなどにより、令和5年度は4事業者様から寄附をいただいたところであります。今後においても、積極的な情報発信に加え、金融機関と連携した本市のPRに積極的に取り組み、多くの企業様からご支援をいただけるよう、取組を推進してまいります。

また、市のプロジェクトに共感した皆様から寄附を募る、ガバメントクラウドファンディングについても、多くの皆様に賛同していただけるよう、魅力的なプロジェクトの選定に取り組んでまいります。

次に、デジタル化の推進についてでありますが、現在、外部からDXに精通した人材を登用し、推進体制の構築とともに、本市のDXを推進するための「登米市DX推進計画」の令和5年度末までの策定に向け、取り組んでおります。令和6年度においては、この計画に基づき、市役所に来なくとも各種手続を可能とする「行政手続オンライン化の更なる推進」、書かない・待たない「かんたん窓口の整備」「窓口手数料のキャッシュレス決済の検討」など、デジタル技術を活用した取組を進めるとともに、誰一人取り残さないデジタル社会を実現するため、情報格差対策にも取り組むことにより、スマート市役所を推進し、市民の皆様の更なる利便性向上を実現してまいります。

こうしたデジタル社会の基盤となるマイナンバーカードの普及促進の取組としては、今後の健康保険証・運転免許証等との一体化を見据え、市内の企業や福祉施設等への派遣型申請サポート事業及び休日・時間外交付などの取組を強化し、更なる申請率・交付率の向上に努めてまいります。

次に、市政情報の発信についてでありますが、広報紙や市公式ホームページ、メール配信サービスに加え、市公式LINEを活用し、市民通報機能の拡充を図るなど、市民の皆様とのコミュニケーションツールとして運用しているところであります。令和6年度においては、更なる利便性の向上を図るため、市公式LINEにおいて、市民の皆様一人一人のニーズに応じて、必要とする情報を受信できるセグメント方式や行政に関する簡易的な質問に対して回答するチャットボットの導入など、市民の皆様が、簡単に的確な情報を受け取ることができる体制を構築することにより、身近な市役所となるよう機能強化を図ってまいります。

3.令和6年度の当初予算

次に、令和6年度予算の概要について申し上げます。令和6年度予算は、国の令和6年度地方財政対策や物価高騰などをはじめとした様々な社会・経済情勢を踏まえ、編成したところであります。

令和6年度地方財政対策においては、一般財源総額において、前年度を上回る額が確保された一方、地方交付税と臨時財政対策債を合わせた総額が減額となることを踏まえ、本市歳入においても、地方交付税及び臨時財政対策債を減額して見込んだところであります。

歳出では、未来への投資として(仮称)地域交流センター整備事業や米山地区における公共施設複合化整備事業、学校再編に向けた施設整備事業が本格化していく中、光熱費をはじめとする物価高などへの対応に加え、社会保障関係費、こども・子育て政策、地方創生に係るDXの推進や脱炭素化への経費など、多額の財政需要が見込まれます。

こうした状況から、令和6年度の予算編成においては、歳入に見合った歳出を大原則としつつ、ゼロベースからの事業精査に取り組み、厳しい財政状況が続く中でも、未来のまちづくりに向けて、今やるべき施策には積極的に投資し、また、事業の必要性・有効性・効率性などを重視して配分したところでありますが、財政調整基金をはじめとする各種基金から多額の取り崩しをせざるを得ないなど、非常に厳しい予算編成となったところであります。

これにより、一般会計は461億9,769万9千円、特別会計は208億747万7千円、企業会計は191億9,082万6千円となり、総額では861億9,600万2千円となりました。

令和5年度当初予算と比較しますと、一般会計は5.0パーセントの増、特別会計は0.7パーセントの減、企業会計は9.9パーセントの増、予算全体では4.6パーセントの増となっております。

4.結びに

本市出身生徒が所属する仙台育英学園高等学校硬式野球部が、全国高等学校野球選手権大会において2年連続で決勝戦進出を果たし、優勝、そして準優勝という結果を残すなど、我々市民に大きな感動を与えてくれました。こうした本市出身の若者の活躍に、未来への目標に向かって歩みを進めていくことの大切さを教えられたように感じております。

本市は、少子高齢化や記録的な異常気象などによる災害、更には厳しい財政運営など、難しい課題に直面しておりますが、本市が取り組む施策、そのすべてが、人口減少対策につながっていくものであります。

これまで、未来につながるまちづくりの種をまいてまいりました。令和6年度は、私の二期目の市政運営の総仕上げとして、子どもから大人まで、誰もが希望と愛着の持てる持続可能なまちづくりを推進し、その芽となる施策を着実に成果へと育て上げ、本市の将来像「あふれる笑顔 豊かな自然 住みたいまち とめ」の実現を目指してまいる所存であります。

市民の皆様並びに議員各位におかれましては、登米市の発展のため、格段のご理解とご協力、ご支援を賜りますようお願い申し上げ、施政方針といたします。

お問い合わせ

登米市まちづくり推進部まちづくり推進課

〒987-0511 登米市迫町佐沼字中江二丁目6番地1

電話番号:0220-22-2147

ファクス番号:0220-22-9164

メールアドレス:machizukuri@city.tome.miyagi.jp

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