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更新日:2021年2月8日

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登米市議会基本条例素案(策定委員会案)


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登米市議会基本条例素案(策定委員会案)(PDF:119KB)

登米市議会基本条例素案(策定委員会案)逐条解説(PDF:233KB)


登米市議会基本条例素案(策定委員会案)逐条解説

登米市議会

前文

私たちは日々進展する時の流れに的確に向き合い、議会の使命を果たさなければならない。

地方主権改革により地方自治体は自らの責任において、自治体すべての事務を決定することとし、これらの事務に対して議会の審議権、議決権、監視権が及ぶなど、その権限が強化された結果、議会の担うべき役割、責任も大きくなった。地方分権が国の統治構造改革の重要課題であり、この改革が進むかどうかは常に強力な政治主導が求められる。

議会は、市長とともに市民の信託を受けた市の代表機関である。議会は複数の人が話し合い物事を決定する合議の機関として、市長は、独立職務を執行し、意思決定する独任の機関として存在する。それぞれの異なる特性を活かし、市民の意思を的確に反映させるために競い、協力し合いながら市として最高の意思決定を導く共通の使命を担っている。

私たち登米市議会は、監視機能及び立法機能を十分に発揮するため、公平性、公正性及び透明性を確保し、市民にわかりやすく開かれた議会運営のもと、市民への情報の提供と共有化を図り、常に市民の中に飛び込み、市民との対話を重ね、市民の悩みや声を汲み取り、政策提言や政策立案を積極的に行っていくことを固く誓うものである。

「理念を共有し」「志を高く持ち」「努力を惜しまず」市民主権に基づく、持続可能な自立したまちづくりを行うため、市民参画を強力に推進し、共に活動しつづけることを宣言する。

議会の使命を果たすため、議会運営の最高規範である議会基本条例をここに制定する。

【説明】

前文では、議会基本条例を制定するに至った背景や制定への思いが述べられ、登米市民の代表としての議会と議員の決意を表明しています。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、議会及び議員の責務と活動原則を定め、議会の役割を明らかにするとともに、議会に関する基本的事項を定めることにより、地方自治の本旨である市民主権に基づき、市民福祉の向上及び市政の発展に寄与することを目的とする。

【説明】

議会の役割と議会に関する基本的事項を明確化することにより、地方自治の本旨である市民主権に基づき、市民福祉の向上及び市政の発展に寄与することを目的として規定しています。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第2条 議会は、次に掲げる原則に基づき活動する。

(1)公正性及び透明性を確保するとともに、市民に開かれた議会を目指すこと。

(2)市民の多様な意見を把握し、政策形成に適切に反映できるよう、市民参加の機会の拡充に努めること。

(3)把握した市民の多様な意見をもとに政策提言、政策立案等の強化に努めること。

(4)市民本位の立場から、適正な市政運営が行われているかを監視し、評価すること。

【説明】

議会の活動原則について、次の事項を規定しています。

(1)開かれた議会運営(2)市民の意見の的確な把握(3)政策提言、政策立案の強化(4)市政運営の監視と評価

(議員の活動原則)

第3条 議員は、次に掲げる原則に基づき活動する。

(1)議会が言論の場であること及び合議の機関であることを認識し、議員間の自由な討議を重んじること。

(2)市政の課題全般について市民の意見を的確に把握するとともに、自己の資質を高める不断の研鑽によって、市民全体の奉仕者、代表者としてふさわしい活動をすること。

(3)議会の構成員として、一部団体及び地域の代表にとどまらず、市民全体の福祉の向上を目指して活動すること。

【説明】

議員の活動原則について、次の事項を規定しています。

(1)議員間の自由な討議の推進(2)市民の意見の的確な把握と自らの資質の向上(3)市民全体の代表者としての自覚

(会派)

第4条 議会の会派は、政策を中心とした同一の理念を共有する議員で構成する。

2 会派は、政策立案、政策決定、政策提言等を行う。

【説明】

議員がより充実した議会活動ができるよう「会派」を結成することができることを規定しています。

第3章 市民と議会の関係

(市民参加及び市民との連携)

第5条 議会は、市民に対し積極的にその有する情報を発信し、説明責任を十分果たさなければならない。

2 議会は、本会議のほか、すべての会議を原則公開とする。

3 議会は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第100条の2の規定による専門的知見の活用並びに常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)にあっては、法第109条、法第109条の2及び法第110条の規定による参考人制度及び公聴会制度を十分に活用して、市民の専門的及び政策的識見等を議会の討議に反映させるよう努める。

4 議会が請願及び陳情を審査するときは、請願者及び陳情者から請願、陳情の趣旨を説明する機会を持つものとする。

5 議会は、市民との意見交換の場を多様に設け、議員の政策立案能力を強化するとともに、より多くの政策提案を行う。

【説明】

議会情報の積極的な公開、議会の説明責任、議会への市民参加機会の確保、請願・陳情を市民からの政策提案と位置付け、委員会における提案者の発言機会を保障するとともに市民との意見交換の場も積極的に設けることを規定しています。

(広報・広聴事業の充実)

第6条 議会は、市政に係る重要な情報を議会の視点から市民に対して提供するとともに、議案に対する各議員の対応を公表する。

2 議会は、議会報、ホームページその他多様な広報手段を活用することにより、多くの市民が議会と市政に関心を持つよう議会広報活動に努めるとともに、市民の意見、要望等を把握するため意見交換会など広聴活動も積極的に行う。

3 議会は、前2項に定める方策の充実を図るため、議員で構成する広報広聴委員会を設置する。また、意見交換会に関し必要な事項は、議長が別に定める。

【説明】

市民に開かれた議会として、議員の議案に対する対応(討論・起立採決の結果等)について議会広報を通じて公表するなど、積極的に情報公開を行うことと、議会の活動について説明し、また、市民の意見を広く聴くため意見交換会を行うことを規定しています。

(政策立案、政策提案及び政策提言)

第7条 議会は、広聴活動で得た市民の意見、要望等を政策及び課題として、政策立案、政策提案及び政策提言等を行うため、議員で構成する政策プロジェクト委員会を設置する。

2 政策プロジェクト委員会に関し必要な事項は、議長が別に定める。

【説明】

公聴活動で得た市民の意見・要望等を政策として検討する場として、議員で構成する政策プロジェクト委員会を設置することを規定しています。詳細については要綱等で定めることになります。

(議会モニターの設置)

第8条 議会は、市民から議会運営等に関する要望、提言その他の意見を聴取し、議会運営に反映させるため、必要なときに議会モニターを設置することができる。

2 前項の議会モニターに関し必要な事項は、議長が別に定める。

【説明】

議会は、市民から議会運営等に関する要望、提言その他の意見を聴取し、議会運営に反映させるため、必要なときに議会モニターを設置することができるものと規定しています。詳細については要綱等で定めることになります。

第4章 市長と議会の関係

(市長等と議会及び議員の関係)

第9条 議会は、市長との立場や権能の違いを踏まえ、市長等と緊張ある関係を構築し、事務執行の監視、評価を行うとともに、政策立案及び提言を通し、市政の発展に努めなければならない。

2 本会議における一般質問は、広く市政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答方式を行うことができる。

3 議長から本会議及び委員会への出席を要請された市長等は、議長または委員長の許可を得て、議員の質問に対して反問することができる。

4 議員は、会期中または閉会中にかかわらず、議長を経由して市長等に対し文書質問を行うことができる。この場合において、市長等に文書により回答を求める。

5 議会は、議員が行う市長等への口頭による要請に対して、両者の関係の透明性を図るため、日時、要請内容、対応及び経過等を記録した文書を作成するよう市長等に求める。

【説明】

議会と市長等とは対等な関係で緊張関係を保持するとともに、一般質問は、論点及び争点を明確にするため、一問一答方式で行うこと。また、市長等には反問権を与えることを規定しています。

議員の質問は、会期中の議案質疑及び一般質問に限られていましたが、議長を経由して閉会中にも文書による質問が可能となることを規定しています。

執行機関に対して、議員から口頭要請があった場合、その内容を記載した文書を作成するよう要請することを規定しています。これは、後々に問題となるようないわゆる不透明な口利きを防止するものです。

(市長による政策等の形成過程の説明)

第10条 議会は、市長が提案する計画、政策、施策、事業等(以下「政策等」という。)について、政策等の水準を高めるため及び市民への公開のため、市長に対して、次の各号に掲げる事項の説明に努めるよう求める。

(1)政策の発生源

(2)提案に至るまでの経緯

(3)隣接する自治体及び他の自治体の類似する政策との比較検討

(4)市民参加の実施の有無とその内容

(5)長期総合計画との整合性

(6)関係ある法令及び条例等

(7)財源措置

(8)将来にわたるコスト計算

2 議会は、前項の政策等の提案を審議するに当たっては、立案及び執行における論点及び争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努める。

【説明】

市長が重要な政策を提案する場合、政策の公正・透明性の確保と議会審議での論点の明確化と議論の水準を高めるため、8項目の根拠事項を示すよう求めることを規定しています。

(予算及び決算における政策説明資料の作成)

第11条 議会は、市長が予算案及び決算を議会に提出し、議会の審査に付すに当たっては、前条の規定に準じて、市長に対し施策別または事業別の分かりやすい政策説明資料の作成に努めるよう求める。

【説明】

予算、決算の審議に当たっては、市民にも分かりやすい施策別または事業別の説明資料の作成を求めるよう規定しています。

(法律第96条第2項の議決事項)

第12条 法律第96条第2項の議会の議決事項については、代表機関である議会が、市政における重要な計画等の決定に参画する観点と同じく代表機関である市長の政策執行上の必要性を比較考量のうえ、次のとおり定める。

(1)法第2条第4項の規定に基づく長期総合計画の基本構想による基本計画

(2)登米市環境基本計画

(3)登米市行財政改革大綱・登米市行財政改革実施計画

【説明】

地方議会の有する議決権のうち、地方自治法第96条第2項の規定による議決権の拡大に関し、3項目について拡大することと規定しています。

第5章 自由討議の拡大

(議員間討議)

第13条 議会は言論の府であることを十分に認識し、議長は、市長等に対する会議等への出席要請を必要最小限にとどめ、議員相互間の自由討議を中心とした議会運営を行う。

2 議会は、本会議及び委員会において、議員、委員会及び市長提案に関して審議し、結論を出す場合、議員相互間の議論を尽くして合意形成に努める。

【説明】

議会は「言論の府」、討論の場であるとの原則にたち、議員間の自由討議について、また、議員間の討議をつくし合意形成に努めることを規定しています。

第6章 委員会の活動

(委員会の適切な運営)

第14条 議会は、社会経済情勢等により新たに生じる行政課題等に迅速かつ的確に対応するため、委員会の専門性と特性を活かし適切な運営に努めなければならない。

2 委員会は、議会における政策立案及び政策提案を積極的に行うとともに、監視と評価を行う。

3 委員会は、市民からの要請に応じ、審査の経過等を説明するとともに、議員及び市民が自由に情報及び意見を交換する意見交換会を積極的に行うよう努める。

【説明】

委員会として政策立案及び政策提言を積極的に行い、また、市民に対して説明会を開催するなど、積極的に活動することを規定しています。

第7章 政務調査費

(政務調査費)

第15条 議員の調査活動の基盤の充実を図ることにより、議員の政策研究及び政策提言等が確実に実行されるよう、登米市議会政務調査費の交付に関する条例(平成17年9月27日条例第237号)により、会派または議員に対して政務調査費を交付する。

2 前項の規定により交付を受けた会派または議員は、登米市議会政務調査費の交付に関する条例及び諸規定の定めるところにより、透明性を確保するとともに適正に執行しなければならない。

【説明】

政務調査費の使途の透明性の確保について定めるものですが、政務調査費の詳細については、登米市議会政務調査費の交付に関する条例で定めています。

第8章 議会改革の推進

(議会改革推進会議)

第16条 議会は、議会改革に継続的に取り組むため、議員で構成する議会改革推進会議を設置する。

2 議会は、必要があると認めるときは、前項の議会改革推進会議に学識経験を有する者等を構成員として加えることができる。

【説明】

議会改革については、議会改革推進会議を設置し、継続的に取り組むことを規定しています。

第9章 議会・議会事務局の体制整備

(調査機関の設置)

第17条 議会は、市政の課題に関する調査のための必要があると認めるときは、議決により、学識経験を有する者等で構成する調査機関を設置することができる。

2 議会は、必要があると認めるときは、前項の調査機関に議員を構成員として加えることができる。

3 第1項の調査機関に関し必要な事項は、議長が別に定める。

【説明】

市政の課題に関する調査のための必要があると認めるときは、議決により、学識経験を有する者等で構成する調査機関を設置することができること、また、この調査機関に議員を加えることができることを規定しています。詳細については要綱等で定めることになります。

(議員研修の充実強化)

第18条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上等を図るため、議員研修の充実強化に努める。

2 議会は、議員研修の充実強化に当たり、広く各分野の専門家、市民各層等との議員研究会を積極的に開催する。

【説明】

議員の政策立案能力の向上を目的として、市民の幅広い層から参加を募り、議員研究会を開催することを規定しています。

(議会事務局の体制整備)

第19条 議長は、議員の政策立案を補助する組織として、議会事務局の調査及び法務に関する機能の充実強化を図るよう努めなければならない。

【説明】

議会事務局の調査・法務能力を高め、議員の政策立案を補助する体制を整備することを規定しています。

(議会図書室)

第20条 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書室の充実に努める。

【説明】

議員の調査研究に資するため、議会図書室の整備及び内容の充実に努めることを規定しています。

第10章 議員の身分・待遇、政治倫理

(議員定数)

第21条 議員定数は、別に条例で定める。

2 議員定数を改正する際は、市政の現状と課題及び他市等の状況並びに議会が果たす役割を考慮するとともに、市民の意見を聴取するため、参考人制度、公聴会制度等を十分に活用する。

3 議員定数の条例改正案は、市民の直接請求による場合及び市長が提出する場合を除き、議員定数の基準等の明確な改正理由を付して、法第109条第7項または法第112条第1項の規定に基づき、委員会または議員から提出する。

【説明】

議員定数の改正は、市長の提案権は認めるものの、市民への説明責任を果たすため、原則的に委員会(議員)が提案することを規定しています。

(議員報酬)

第22条 議員報酬は、別に条例で定める。

2 議員報酬の改正に当たって、議員が提案する場合は、行財政改革の視点及び他市との比較だけではなく、市政の現状及び課題並びに将来の予測及び展望を十分に考慮するとともに、市民の意見を聴取するため、参考人制度、公聴会制度等を十分に活用する。

【説明】

議員報酬の改正は、議員が提案する場合も同様に市民の意見を取り入れて十分に検討することを規定しています。

(議員の政治倫理)

第23条 議員は、市民の代表として、高い倫理的義務が課せられていることを自覚し、良心と責任感を持って、議員の品位を保持し、識見を高めるよう努めなければならない。

【説明】

議員は、市民全体の代表者として高い倫理観と深い識見によって行動するよう規定しています。

第11章 最高規範性及び見直し手続

(最高規範性)

第24条 この条例は、議会における最高規範であって、議会は、この条例の趣旨に反する議会に関係する条例、議会規則、議会告示等(以下「議会関係条例等」という。)を制定してはならない。

2 議会は、議員がこの条例の理念を深く理解するため、選挙を経た任期開始後速やかに、この条例に関する学習を行わなければならない。

【説明】

この条例は、議会に関する条例等に対して優位性を有することを規定しています。また、議会を構成する議員が替わっても条例の理念浸透のため、学習することとしています。

(見直し手続)

第25条 議会は、必要に応じて、この条例の目的が達成されているかどうかを検証する。

2 議会は、前項の検証の結果、議会関係条例等の改正が必要と認められる場合は、適切な措置を講じる。

【説明】

この条例の目的が達成されているかを検証し、改正が必要と認められるときは条例の改正を行うことを規定しています。

附則

この条例は、平成23年4月1日から施行する。

【説明】

この条例は、議会の議決後、(平成23年4月1日)から実施されます。

お問い合わせ

登米市議会事務局

電話番号:0220-22-1913

ファクス番号:0220-22-9225

メールアドレス:gikaijimu@city.tome.miyagi.jp

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