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展示案内
 

常設-企画展「佐藤 達1983年代の作品展」

 Satoru Sato Art Museum コレクションの中に、佐藤達氏の1983年制作の作品が、13点ありますが、今回はその中から9点を選んで展示しています。
 また、これらの作品はミュージアムが平成19年7月にオープンして以来、8年目にして、初めて公開される作品です。

 佐藤達氏の初期時代(東京時代=美術学校時代)は油絵を描き、若くして上野の創元会の会友になりました。氏は、具象絵画を目指し、パリ国立美術学校入学試験のため、具象の油絵とデッサンを描きました。
 パリの美術学校に入学して間もなく、抽象の道に入って行き、当時は具象を思わせる抽象から徐々に幾何学構成絵画へと移行して行きました。
 1970年代では空間のある構成絵画から空間性を排除した完全抽象絵画絵へと、垂直線のみの絵画が生まれてきます。
 その後、垂直線は左右へ追いやられ、中心の空間は無彩色と黒か白が塗られ、更に、色の塗られていない布地へと変化して行き、当時5年間のパリ滞在で日本の「無」の世界を再認識した時代なのです。
 また、1980年代に入ると、左右にストライプの鉛直色が置かれ、中心にはなにも無い壁が作品の一部となり得る作品を作り上げ、かろうじて中心の壁を正方形に暗示させる印・囲いを作り出し、材木や鉄を使用した正面の空間からより自由にテープを使用する事で、壁を自由に取り巻く作品として誕生しました。
 そこには既に異質な素材でひとつの空間を作り上げる思考が、キャンバスに描かれた直線、展示会場の壁、テープで囲まれた矩形の空間を生かしながら、青を中心とした静的空間が感じ取れると思います。


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