渾天儀
明和6年(1769) 佐藤五郎兵衛作
(天文五郎兵衛資料)
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 渾天儀とは、天体の動きを再現できる機構を持つ機器のことです。この機構を用いて太陽や月、星座などの動きを表す模型としての渾天儀と大型で天体観測を行うための渾天儀と2種類があります。
 本資料は模型としての渾天儀で、箱書きによると佐藤五郎兵衛が明和6年(1769)に考案、作成したものとされています。4枚の扇形の金属板を用いて機構を簡略化しているのが特徴です。
 佐藤五郎兵衛は登米郡寺池村の商人で、天文五郎兵衛とも呼ばれていました。はじめ登米伊達家家臣河村春岡に、次いで佐竹義根に天文学(天文道)を学びました。
 なお、佐藤五郎兵衛は、宝暦9年(1759)に佐竹義根の使いとして、当時の暦に掲載されていない日食が起きることを土御門家へ伝えるため上京するなどの活躍をしました。