○登米市人権擁護に関する条例

令和6年6月19日

条例第25号

人権は、誰もが生まれながらにして持つ、誰からも侵されることのない基本的な権利であり、生涯にわたって最大限尊重されなければならない。

世界人権宣言では、「すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。」とされ、全ての人は、権利と自由とを享有できることがうたわれている。また、日本国憲法においても、基本的人権が保障され、法の下の平等が定められている。

しかしながら、社会においては、依然として不当な差別や偏見が存在しており、近年では、情報化の進展や社会情勢の変化に伴い、インターネット上の誹謗中傷及びプライバシーに関わる情報の流布並びに性的指向及び性自認を理由とした差別や偏見など、人権問題は複雑化・多様化している。

このような人権問題を解消していくためには、市民一人ひとりが人権意識を高め、互いを尊重し支え合うことが重要であることから、登米市は、全ての市民が人権を侵害されることなく、個人として尊重され、自分らしく安心して暮らすことができる人権尊重のまちづくりを目指すため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、本市における人権尊重のまちづくりについて、基本理念を定め、市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、人権擁護に関する施策の基本となる事項を定めることにより、人権尊重のまちづくりを推進し、もって市民が安心して暮らすことができる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 市民 市内に居住、通勤又は通学している者をいう。

(2) 事業者 市内において事業活動を行う個人、法人又は団体をいう。

(3) ハラスメント 個人に不快感又は不利益を与える言動により、生活環境を害することをいう。

(4) ドメスティック・バイオレンス 夫婦、恋人等の間において身体的又は精神的な苦痛を与える暴力的行為をいう。

(基本理念)

第3条 人権尊重のまちづくりは、全ての人が基本的人権を生まれながらにして持っており、かけがえのない個人として尊重されるものであるという認識を基本として行わなければならない。

(人権を侵害する行為の禁止)

第4条 何人も、家庭、職場、学校、地域、インターネット上その他あらゆる場所及び場面において、障がい、疾病、性別その他の事由による差別、いじめ、虐待、社会的に認知されたハラスメント、ドメスティック・バイオレンス、プライバシーの侵害その他の人権を侵害する行為をしてはならない。

(市の責務)

第5条 市は、第3条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、市民及び事業者の人権意識の高揚を図るとともに、人権擁護に関する施策を総合的に推進しなければならない。

2 市は、人権擁護に関する施策の実施に当たっては、国、宮城県その他の関係団体(以下「関係機関等」という。)との緊密な連携に努めなければならない。

(市民の責務)

第6条 市民は、基本理念にのっとり、社会のあらゆる場面において互いに人権を尊重し、自らが人権尊重のまちづくりの担い手として人権意識の高揚に努めなければならない。

2 市民は、市が実施する人権擁護に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第7条 事業者は、基本理念にのっとり、事業活動に関わる全ての人の人権を尊重するとともに、事業活動を行うに当たっては、人権尊重の視点に立って取り組むよう努めなければならない。

2 事業者は、市が実施する人権擁護に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(相談体制の充実)

第8条 市は、様々な人権問題に関し、市民一人ひとりが安心して相談できるよう、関係機関等と連携し、相談体制の充実を図るものとする。

(教育及び啓発活動の推進)

第9条 市は、関係機関等と連携し、人権教育を推進するとともに、人権啓発活動により市民及び事業者の人権意識の高揚を図るものとする。

(登米市人権の日)

第10条 市民及び事業者の人権に関する理解を深めるため、登米市人権の日(以下「人権の日」という。)を定める。

2 人権の日は、12月1日とする。

3 市は、人権の日の趣旨にふさわしい取組を推進するため、必要な施策を講ずるものとする。

(委任)

第11条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、公布の日から施行する。

登米市人権擁護に関する条例

令和6年6月19日 条例第25号

(令和6年6月19日施行)