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更新日:2019年12月11日

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伝統野菜の価値と農文化の継承

登米市伝統野菜研究会座長・東北大学非常勤講師・佐々木寿

価値継承1伝統野菜は、貴重な遺伝資源です。全国各地に残る伝統野菜は、暮らしに密着しながら今日まで保存され、そのなかで、豊かな食文化が形成されてきました。

現在、伝統野菜は全国的に減少しつつありますが、その一方で、その土地固有の「食の文化財」として見直されてきています。これは伝統野菜が、その土地に見合った農業技術を伝えてきた遺伝資源であり、その地域の暮らしと食文化を伝えてきたからです。

今では、各地で地産地消や地域活性化の起爆剤のひとつとして、伝統野菜の保存と活用の取り組みが行われています。

ところで、在来野菜、伝統野菜、ふるさと野菜、地方野菜など、いろいろと呼称されていますが、学術的には厳密な定義としてまだ確立されていません。

一般的に、在来作物は「地域で世代をこえて栽培者によって種苗の保存が続けられ、特定の用途に供されてきた作物の品種・系統であり、その特徴には、それにまつわる物語や歴史、伝統的な栽培方法、地域固有の食べ方や利用の文化などがあり、地域独自の財産になっている」と定義されています(山形在来作物研究会)。

また、伝統野菜は「地方自治体や生産と流通に関わる人々が、栽培地域や栽培暦などに独自条件を設けて、その保存と特産化をめざす在来野菜のこと」であるといえます。

登米市内には、伝統野菜復活プロジェクトで、素晴らしい人々に支えられて保存・継承されてきた在来野菜などを多く見出すことができました。それらは、伝統野菜として復活できる可能性が十分にあります。

平成26年の6月には「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律(地理的表示法)」が成立し、地域で育まれてきた伝統と特性をもつ地域特産の農林水産物・食品を、知的財産として国に登録できるようになりました。

これを契機に、登米市の地の利を活かして、生産者や消費者、行政当局、教育機関、地場産業など、地域ぐるみの支援で伝統野菜の保存と普及への取り組みが期待できます。

価値継承2登米市は、環境保全米や登米産牛などの食資源をはじめ、郷土食、豊かな自然環境、観光資源に恵まれています。美しい里地里山があり、伝統的な農文化が形成されてきました。里山の活用は、自然と共生した農の暮らしにもなります。河川やため池、湖沼、かんがい施設、植林された森や里山などの景観は、先人たちが築き上げてきた貴重な農村の風景です。

今、国連食糧農業機関(FAO)が認定する世界農業遺産(GIAHS)が注目を浴びています。

全国で五地域が認定されていますが、いずれも地域の特徴ある里山を活用して、生物多様性や生態系機能に応じた農業技術を駆使し、森などの身近な自然を大切にしながら伝統的な文化を保持してきたことが評価されています。

さらに、優れた景観美を保ちながら、環境を守り、土や水資源を維持管理しながら、農業と結びついた文化や芸能などが融合して、ひとつの複合的な農業システムを構成するなど、地域のシステムを一体的に維持し、次代に継承しているということが、世界農業遺産として認定された最大の要因です。

一昨年、認定された一地域である奧能登地方で農村調査を行い、研究会を開催しました。

奧能登では「海沿いの棚田」といわれる白米(しろよね)千枚田を中心に、能登棚田米などのブランド米や在来作物、各種加工品、地酒などを生産しています。

その地で、奧能登の伝統的な農文化と里地里山、里海の利を活かし、農業法人や生産組織が連携・協力しながら、能登地域をあげて6次産業化に取り組んでいて、過疎化が進むなかで、地域が一丸となった振興と活性化の実践を垣間見ることができました。

登米地方には、有用な資源、美しい環境、有為な人材が豊富です。ぜひこのような事例のように、伝統野菜も優れた文化遺産として捉え、次代へのさらなる継承を念願しています。

 

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