更新日:2021年8月30日
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ガソリンや灯油、軽油はわたしたちの生活にとってなくてはならない身近なものですが、ガソリンや灯油、軽油は消防法令上の「危険物」に該当し、文字通り危険な物質として、その貯蔵や取扱いの方法についてさまざまな規制がなされています。普段何気なく取り扱っているこれらの危険物も、貯蔵や取扱い、運搬の方法を間違えると、火災や爆発などの大きな被害を及ぼす可能性があります。
ここではガソリンや灯油、軽油の特性や、危険物の貯蔵や取扱い、運搬などについてよくある質問をQ&A方式で解説します。A1:ガソリンは気温がマイナス40℃(軽油はプラス40℃)でも気化し、小さな火花でも爆発的に燃焼する物質です。ガソリンなどの蒸気は空気より重いため、穴やくぼ地などに溜まりやすく、離れたところにある思わぬ火花などによって引火する危険性があるからです。
A2:できません。
灯油用ポリ容器は灯油を入れて運搬することを前提に消防法令に定められた性能試験を実施していますので、ガソリンや軽油を入れて運搬することを想定していません。ガソリンや軽油を運搬する場合には、消防法令に適合した容器を使用しなければいけません。
A3:ポリ容器がガソリンによって侵され、変形して漏れるおそれがあります。また、ガソリンは非常に揮発しやすいため、キャップ部分が劣化してはずれやすくなっている場合には、圧力に耐えられなくなってフタがはずれ、ガソリン蒸気が漏れる危険があります。さらにポリ容器は、ガソリンとの摩擦で静電気が溜まりやすく、ポリ容器のフタを開けた瞬間に放電し、ガソリン蒸気に引火し火災になる危険があります。
A4:あります。
ガソリンスタンドなどでガソリンを灯油用のポリ容器に詰め替えた場合、詰め替え作業を行った者は消防法第10条第3項違反に当たります。また、ガソリンを灯油用のポリ容器で運搬した者は、消防法第16条違反に当たります。いずれも違反した場合には、3月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる旨が消防法に規定されています。安全上のほかにも、このようなことから灯油用のポリ容器をガソリンスタンドに持ち込んでガソリンを購入することは絶対にしないでください。
A5:ガソリン用として性能試験をクリアした運搬容器でなければ使用できません。エンジンオイル缶や一斗缶などは金属製容器ですが、金属性容器であれば何でも良いわけではなく、ガソリン用として性能試験をクリアした金属製容器であることが必要です。
A6:保管場所は直射日光や高温環境を避け、給油や使用時は火気や引火性物質のない風通しの良い場所で行ってください。ガソリンはマイナス40℃でも気化する性質があり、内圧で吹き出す場合があるため、開栓時は十分に注意し、その際には必ず調整ネジを緩め、缶内の圧力を調整してから開栓してください。錆び、変形、栓や空気穴のパッキンの劣化、その他の破損が見られる携行缶はガソリンが漏れるおそれがあるため使用しないでください。いずれにしても、ガソリンや大量の軽油の保管はできるだけ控えてください。
A7:できません。
セルフ式ガソリンスタンドにおいて、自ら行える行為はガソリンや軽油を入れるための機械(固定給油設備)を使用して※自動車等の燃料タンクに直接給油すること、灯油を入れるための機械(固定注油設備)を使用して容器に詰め替えることのみです。セルフ式ガソリンスタンドにおいて、ガソリンや軽油を容器に詰め替えたい場合には、従業員に相談してください。なお、ガソリンスタンドの中には、自主保安基準によりガソリンを容器に詰め替えない事業所等もありますので、従業員に確認してください。
※自動車等とは自動車または原動機付自転車をいう。
A8:一定量以下のガソリンや軽油、灯油は貯蔵し保管しておくことができますが、ガソリンや軽油、灯油は火災発生の危険性が極めて高く、大量に保管すると大規模な火災となる可能性があるため、買いだめなどは極力控えてください。
なお、消防法令に適合した容器で保管する場合でも、一定量以上のガソリンや軽油、灯油等を保管する場合、下表のとおり火災予防条例に基づいた届出または消防法に基づく許可が必要となりますので注意してください。
区分 |
ガソリン |
軽油・灯油 |
(市町村火災予防条例) 消防機関への届出 |
40リットル以上200リットル未満 (個人の住居の場合は100リットル以上200リットル未満) |
200リットル以上1,000リットル未満 (個人の住居の場合は500リットル以上1,000リットル未満) |
(消防法) 市町村長等の許可 |
200リットル以上 (許可なく数量以上を貯蔵等した者は罰則が科せられます) |
1,000リットル以上 (許可なく数量以上を貯蔵等した者は罰則が科せられます) |
※届出や許可が必要な保管場所にあっては、保管場所の壁・柱・床・天井が不燃材や耐火構造であることなど、構造等の要件が基準に適合していなければならないため、大幅な改修が必要となる場合があります。
お問い合わせ
登米市消防本部予防課
〒987-0512 登米市迫町森字平柳25番地
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ファクス番号:0220-22-4699
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