1 市土利用に関する基本構想
(1) 市土の概要
平成17年4月1日に登米郡8町と津山町の9町が合併して、新たに「登米市」が誕生しました。本市は、宮城県の北東部に位置し、北は岩手県に接しています。西部は丘陵地、東部は山間地、その間を県内有数の穀倉地帯を形成する肥よくな登米耕土が広がっており、面積は536.38k平方メートルと県内第5位の広さを有しています。市域を3等分するように北上川、迫川が南北に貫流し、多くの支流が注いでいるほか、西部にはガン、ハクチョウ等が飛来する国際的に重要なラムサール条約指定登録湿地の「伊豆沼・内沼、蕪栗沼・周辺水田」をはじめ、豊かな水辺空間が広がり、南東部には南三陸金華山国定公園の一部を有するなど、豊かな自然に恵まれた「水の里」を形成しています。
気候条件は、最高気温と最低気温の差が大きい内陸性気候で冬期の降水量は少なく、降雪期間も比較的短いことから、東北地方にあっては温暖な住み良い条件にあります。
(2) 社会経済情勢の変化と土地利用の課題
本市を取り巻く社会経済情勢は、人口減少と少子高齢化の進行、国際化、高度情報化の進展など大きく変化しています。また、三陸縦貫自動車道等高速交通網の整備により都市化も進展し、土地利用の多様な転換が顕著になる一方、農林業の後継者不足により多面的機能を持つ森林や農地の荒廃が進んでいる状況にあり、さらなる生産基盤整備、担い手育成や競争力強化の取り組みが必要となっています。
また、大都市圏においては好景気が続いているものの、地方においては、未だ景気回復の兆しが実感できない状況にあります。本市経済も依然として厳しく、雇用情勢も回復の傾向にあるものの、中心市街地の空洞化や空き店舗の増加など地域経済に及ぼす影響が深刻な状況にあり、企業誘致や中心市街地の高度利用の取り組みが必要です。
さらに、地球温暖化など地球環境問題を背景として「資源循環型社会」の実現に向けた取り組みが求められており、本市においても、バイオ燃料推進事業や環境教育の充実など環境問題の解決に向けた取り組みが進められています。
こうした中で、豊かな自然環境を生かし自然、生活、生産の調和した環境と産業が共生する、安全・安心な市土づくりのための新たな土地利用計画が求められています。
(3) 市土利用の基本理念
登米市の土地利用は、市土が現在及び将来における市民のための限られた資源であるとともに、市民の日常生活や生産を通じた諸活動の基盤であることを認識し、公共の福祉を優先させ、自然と産業が調和した環境の保全を図りつつ、地域の自然的・社会的・経済的及び文化的条件に配慮して健康で文化的な生活環境の確保と市土の均衡ある発展を図ることを基本理念とし、本市の持つ地域特性を活かして、総合的かつ計画的に行う必要があります。
(4) 市土利用の基本方針
適正かつ合理的な土地利用の方針
登米市総合計画に掲げる本市の将来像「夢・大地みんなが愛する水の里」を実現するため、本市の一体化を促進しながら、適正かつ合理的な土地利用を推進します。
都市的土地利用の高度化
都市的土地利用に際しては、周辺の農林業への影響に十分配慮し、自然環境の保全及び公害の未然防止に努め、計画的な土地利用を図るとともに、有効利用、高度利用を推進します。
また、環境問題に配慮し、人口減少・少子高齢化の進行など、社会経済情勢の変化を踏まえた施設設置や工業用地等整備に努め、持続可能なまちづくりを推進します。
農林業等自然的土地利用の適正保全
農林業的土地利用を含む自然的土地利用については、農林業の生産活動とゆとりある生活環境の場としての役割や、景観形成に配慮し、適正な保全を図ります。
また、土地利用の転換にあたっては、その不可逆性等を考慮し計画的かつ慎重に行います。
環境と産業の共生
豊かな自然環境の保全、公害の未然防止に配慮しつつ、良好な景観の保全・形成に留意し、環境と産業が共生する適正な土地利用を図ります。
安全で安心な住環境の整備
ゆとりと潤いのある生活空間を形成し、大規模地震等の災害に備えた安全性の確保を図るとともに快適な生活環境を創造するため、オープンスペース等を活用した良好な景観の保全と確保を図ります。
(5)利用区分別の土地利用の基本方向
農用地
農用地については、本市の基幹産業である農業生産の場及び安全で安定した食料供給の場であるとともに、洪水・土壌浸食の防止等の公益的機能の維持・増進、郷土景観の維持形成においても、重要な役割を果たすことから、農用地の多面的機能が発揮されるよう配慮した農業を推進し、必要な農用地の確保と整備を図ります。
また、高齢化や兼業化に対応した農業経営や、消費者の安全・安心志向に対応した環境保全型の農地利用に配慮するとともに、恵まれた自然環境を活かした農村地域の計画的な活性化を促進するため、観光・レクリエーション等の産業との連携も考慮しながら農用地の効率的な利用を図ります。
森 林
森林については、木材等林産物の生産資源であり、水源かん養、大気の浄化、地球温暖化の防止、自然学習等の公益的機能が総合的に発揮されるとともに林業との共生に配慮し、その確保と整備を図ります。特に、貴重な動植物が生息、生育する森林の適正な維持管理を図ります。
また、市街地や集落周辺の森林については、生態系と自然環境の保全に配慮しつつ、市民に潤いと安らぎを提供する保健休養やレクリエーションの場として活用を図ります。
原 野
水辺植生、野生生物の生息・生育地等貴重な自然環境を形成している原野については、生態系及び景観の維持等の観点から保全を図ります。その他の原野については、地域の自然環境を形成する機能に十分配慮しつつ、適正な利用を図ります。
水面、河川、水路
水面、河川及び水路については、水質、景観等自然環境の保全に配慮しながら、安全性の確保や水資源の開発、農業用用排水路の整備等に必要な用地の確保を図ります。
道 路
一般道路については、市内外との交流・連絡を促進するとともに、地域の経済や文化の発展に重要な役割を果たすことから、内外と有機的・効率的に結びつく三陸縦貫自動車道やみやぎ県北高速幹線道路等高速交通体系を基軸とした整備を推進するとともに、これらと連絡する地域幹線道路や生活道路の整備を推進するため必要な用地の確保を図ります。整備に当たっては、人にやさしい道づくりのため、道路の安全性、快適性の向上及び災害防止、公共・公益施設の収容等道路の多面的機能の発揮や地域の文化及び環境の保全に十分配慮します。
農道及び林道については、農林業の生産性の向上並びに農用地及び森林の適正な管理を図るため必要な用地を確保するとともに自然景観の保全に配慮します。
宅 地
住宅地については、少子高齢化の進行や核家族化に伴うライフスタイルの多様化、個性化に対応しつつ、地域特性に配慮するとともに望ましい居住水準と良好な居住環境の確保及び災害に強い安全な市街地の形成を図るため、生活関連施設と一体的な整備を進めながら、必要な用地の確保を図ります。
工業用地については、地域経済の活性化や市民の雇用の場として重要な役割を担っており、工場の立地動向等に対応しつつ、周辺の自然環境や市民の日常生活に悪影響を及ぼさないように配慮し、既存工業の育成強化や高速自動車道の整備インパクトを活かしながら、必要な用地の確保を図ります。
その他の宅地(事務所、商業施設等)については、中心市街地における土地利用の高度化や商業の活性化を促進するとともに、経済のソフト化・サービス化の進展等に対応して必要な用地の確保を図ります。
その他
文教施設、公園・緑地、環境衛生施設、厚生福祉施設等の公共施設等の用地については、市民生活上の重要性と高度情報化や高齢化等のニーズの多様化を踏まえ、複合化や多目的利用の推進を考慮しながら、必要な用地の確保を図ります。
さらに、耐震性の確保と災害時の避難所とするなど災害時の活用に配慮します。
また、余暇時間の増大と自然とのふれあい志向の高まりを踏まえ、ゆとりある豊かな市民生活の実現に向けて、自然環境の保全を図りつつ地域の振興等を総合的に考慮し、レクリエーション用地等の整備、確保を図ります。
問い合わせ
登米市企画部企画振興課(電話:0220-22-2147)