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第1 審査の対象
平成18年度 登米市一般会計歳入歳出決算
平成18年度 登米市国民健康保険特別会計歳入歳出決算(事業勘定)
平成18年度 登米市国民健康保険特別会計歳入歳出決算(直診勘定)
平成18年度 登米市老人保健特別会計歳入歳出決算
平成18年度 登米市介護保険特別会計歳入歳出決算(保険事業勘定)
平成18年度 登米市介護保険特別会計歳入歳出決算(介護サービス事業勘定)
平成18年度 登米市横山簡易水道事業特別会計歳入歳出決算
平成18年度 登米市曲袋地区ほ場整備事業特別会計歳入歳出決算
平成18年度 登米市土地取得特別会計歳入歳出決算
平成18年度 登米市住宅用地造成事業特別会計歳入歳出決算
平成18年度 登米市公共下水道事業特別会計歳入歳出決算
平成18年度 登米市農業集落排水事業特別会計歳入歳出決算
平成18年度 登米市浄化槽事業特別会計歳入歳出決算
上記各会計の証書類、歳入歳出決算事項別明細書及び実質収支に関する調書
平成18年度 登米市財産に関する調書
第2 審査の期間
平成19年7月6日から同年8月23日まで
第3 審査の方法
審査は、平成18年度一般会計・特別会計歳入歳出決算及び証書類、歳入歳出決算事項別明細書、実質収支に関する調書、財産に関する調書について、各関係職員からの説明聴取などの方法により計数の正確性、支出命令等との符合、収支の適法性等について実施した。
第4 審査の結果
審査に付された平成18年度一般会計・特別会計歳入歳出決算、歳入歳出決算事項別明細書、実質収支に関する調書及び財産に関する調書は、いずれも関係法令に準拠して作成されており、かつ、それらの計数は証書類と符合し正確であり、その内容及び予算執行状況についても、おおむね適正であると認める。
平成18年度歳入では、前年度と比較し一般会計で10億7,193万円(2.7%)増加し、特別会計で4億6,060万円(1.5%)減少している。歳出では、一般会計で11億1,184万円(2.8%)増加し、特別会計で4億2,794万円(1.4%)減少している。一般会計・特別会計全体では、歳入で6億1,132万円(0.9%)、歳出で6億8,389万円(1.0%)の増加であった。
また、17年度決算においては、合併に伴い旧町の会計が平成17年3月末で打ち切り決算となったことにより、本来旧町の出納整理期間中に整理される歳入・歳出が新市の予算に計上され決算額が増加しており、前年度決算額と比較を行う際には留意されたい。
なお、当年度の決算の概況等は「第6 決算の概況等」のとおりであるが、特に留意を要する事項等について概括すると、次のとおりである。
(1)平成18年度の決算状況を見ると、一般会計・特別会計全体の決算規模は、歳入が718億1,019万円、歳出が700億6,358万円で歳入歳出差引額17億4,661万円となっている。
一般会計については、歳入が410億7,375万円、歳出が402億1,623万円で歳入歳出差引額は8億5,752万円の決算となった。
歳入のうち市税収入は、64億6,342万円となっており、前年度と比較し、1億3,220万円の減少となっている。
市税の不納欠損額は、前年度に比べ22.1%、1,152万円減少して、4,056万円となっており、一般会計不納欠損額の93.1%を占めている。不納欠損処分は、税負担の公平及び歳入の確保の面で影響が大きいため、慎重かつ厳正な取扱いが求められるものであり、より積極的に債権の確保に努めるとともに、的確な徴収の努力を行う必要がある。
また、自主財源の根幹である市税の収入未済額は、5億178万円となっており、一般会計収入未済額の28.0%を占めている。これは、前年度に比べ7.5%、3,509万円増加している。
平成18年度の収納体制は徴収対策課を主に取り組まれたが、平成19年度において、組織の見直しを行い徴収対策課を廃止し、税務課内に徴収対策係を設置し、賦課・徴収が一体となった収納業務を行っている。
特に収入未済額の解消は、自主財源の確保や市民負担の公平を期する上からも大変重要である。今後とも滞納者の実態に即した適切な措置を講じて未収金の整理解消に向けて尚一層の努力を望むものである。
国から地方への改革として進められている三位一体改革の中でも、所得譲与税等の税源移譲はあるものの、地方交付税の改革は市の財政に大きな影響を与えている。
平成18年度の地方交付税は、前年度と比較し2.7%、4億7,794万円減少して、175億86万円となっている。その内訳は、普通交付税で1.9%、3億1,483万円、特別交付税で10.1%、1億6,310万円の減となっている。
また、恒久的な減税の実施による地方税の減収を補てんする地方特例交付金は、前年度に比べ18.6%、3,380万円減少して1億4,814万円であった。
市債借入額は、一般会計で60億6,010万円となっており、前年度に比べ31.8%増加している。その主なものは、教育債15億8,430万円、土木債10億4,690万円、農林水産業債7億400万円、臨時財政対策債14億7,340万円である。この借入額の中には、合併特例事業債として23億4,520万円が含まれており、その主なものは豊里中学校増改築事業6億8,720万円、消防防災センター整備事業4億8,860万円、加賀野小学校大規模改造事業2億250万円、生涯学習センター整備事業1億8,610万円等である。
当年度末の一般会計市債現在高は、494億2,544万円で、前年度末に比べ2.8%、13億3,490万円増加している。
市債現在高については、累増により財政の硬直化が一層進むおそれがあることから、将来における償還能力等を考慮しつつ、その適切な運用について留意する必要がある。
(2) 特別会計については、歳入が307億3,644万円、歳出が298億4,734万円で歳入歳出差引額は8億8,909万円の決算となった。
不納欠損額は、3,872万円となっており、前年度に比べ456万円13.4%増加している。不納欠損額の内訳は、国民健康保険事業特別会計で3,785万円、介護保険特別会計87万円である。
また、収入未済額は12億6,308万円となっており、前年度に比べ1億1,721万円10.2%増加している。収入未済の主なものは国民健康保険事業特別会計で8億5,520万円、公共下水道事業特別会計3億6,709万円、農業集落排水事業特別会計2,397万円、介護保険特別会計1,600万円である。
収入未済額については、国民健康保険事業特別会計と公共下水道事業特別会計で特別会計全体の96.8%を占めている。
国民健康保険事業特別会計の不納欠損額及び収入未済額の増加傾向は、高齢社会への進行、医療技術の高度化、また法改正により70歳から74歳へ一般前期高齢を国保で抱えることとなったことが全体医療費を押し上げ、保険税の引き上げが行われたことが一つの要因と考えられる。
収納率の向上を図ることは容易ではないと思われるが、今後もこれら収入未済額等の解消に向け、短期被保険者証の発行や資格証明書の適切な交付を行うなど、また疾病分析による保険事業の推進や加入者に対する納付指導等を通じて保険税の収納率向上を図り、国民健康保険事業の健全化に努められたい。
市債借入額は4つの特別会計で17億3,670万円となっており、その主なものは公共下水道事業特別会計で12億9,240万円、農業集落排水事業特別会計4億570万円となっている。当年度末の特別会計市債現在高は、346億2,078万円で、前年度末に比べ1.0%、3億5,376万円増加している。
(3)当年度の決算を総じてみれば、国内の景気の回復傾向が報じられる中、地方においては依然経済情勢の停滞と不透明感が継続しており、市税収入の増加は見込めず、市債残高も累増するなど、引き続き厳しい状況となっており将来を見据えた財政計画を適正に管理するとともに経費の節減を図り、公債費の管理を行うことが必要である。
最近の地方自治体の財政事情は、少子高齢化社会の進行、環境問題への対応、さらには長期債務の累増など不安定な要因を抱えている。また、三位一体改革の財政改革に伴って、地方交付税や補助金が削減され、地方行政への負担が増加してきており、今後の財政運営への影響が懸念されるところである。
また、本市の主要な自主財源である市税等についても、低迷する景気や雇用情勢などから大きな伸びは期待できず、加えて、滞納による多額の収入未済額や不納欠損額の発生など自主財源の根幹を成す市税の確保が厳しい情勢にあると言わざるを得ない。
このような厳しい財政状況の中で、行財政運営に対して市民の厳しい目が向けられており、市民の理解と協力を得ながら健全財政を推進していくために、本市の財政状況についてより積極的に情報を開示することにより財政運営上の課題を明確にし、職員一人ひとりが厳しい現状を認識し一層の努力をする必要がある。
平成18年3月に策定された登米市行財政改革大綱及び実施計画の着実な推進を図る必要があることから、事務事業の見直しや組織機構の見直し、定員管理の適正化、行政効果等を見据えた補助金の見直し、市民サービスに見合った負担の公平性を念頭に置いた使用料・手数料等の見直し、保育料等市民サービスなどの受益者負担の適正なあり方などについても、積極的に取り組んでいく必要があると思われる。
さらに、近い将来高い確率で発生すると予想されている宮城県沖地震に備え危機管理体制の確立や、少子高齢化社会、高度情報化時代、環境問題などへの対応を迫られる中で当市の財政運営にあたっては、市税等の収納率向上をはじめとする財源の確保になお一層努められるとともに、歳出面においても事務事業の効率化、経常経費の節減等に取り組み、限られた財源の中で、市民に対して最大限のサービスを提供し、市民の福祉の増進に寄与されるよう望むものである。
第5 むすび
平成18年度決算は、平成17年度決算でみられた合併前の旧町の打ち切り決算の影響から脱し、本来の登米市としての決算の姿が見えるものとなっている。
決算審査にあたり、審査結果については「第4審査の結果」に記載しているとおりであるが、その他改善及び要望する点があり、以下のとおり記述することとした。
1全体的事項
(1)翌年度繰越額については、一般会計・特別会計で繰越明許費28億2,914万円が翌年度へ繰り越され、また継続費では51万円が翌年度へ逓次繰越されている。予算及び事業の執行にあたっては、年度内執行に努められたい。
(2)年度当初からの業務執行に関連し債務負担行為を設定したにもかかわらず、契約が4月以降となっているものがある。債務負担行為を行った意義を十分に把握し、契約事務を適正に行われたい。
(3)使用料及び手数料の収入未済額は一般会計・特別会計合わせ5,683万円で、前年度に比べ137万円2.5%増加しており、今後も滞納世帯に対する納付指導の徹底と新たな滞納の発生防止に努められたい。
(4)不用額は一般会計・特別会計合わせ9億2,554万円で歳出予算合計額の1.3%を占めている。不必要な予算執行を行わなかったことは評価できるが、適正な予算編成及び計画的な執行に努められたい。
(5)予算流用及び予備費充用については、流用で流用額を上回る不用額がみられる。また、予備費の充用については、補正で対応できるものは極力補正予算で対応するよう配慮されたい。
(6)補助金等交付事務については、確定通知書の未送付、実績報告書の提出期限の遅延等がみられるので、条例・規則に準じ適正に処理されるとともに、内容の精査を実施し、団体の指導・育成に努められたい。
(7)各部署において執行される契約事務について、見積徴収通知がないものや予定価格調書の不備なもの、また、部等指名委員会の設置に関する取扱要領に基づかない指名通知等、契約事務全般についての不備が散見された。契約事務にあたっては契約規則等を遵守し、適切に行われたい。
2個別事項
(1)議会事務局
1 常任委員会における旅費について、航空賃の実費支給に伴う精算返還金がある。旅費については、条例・規則に基づき適正に支出されたい。
(2)総務部
1 国保税、介護保険料を含んだ市税の収入未済額は13億6,883万円である。市税の収入確保は自治体経営の根幹であり、債権の適切な管理と回収にあたられることを要望する。
2 財産管理については、管財係を主に土地・建物の照合作業を行っているが、錯誤による修正が発生している状況なので早急に作業を完了させ適正な財産管理に努められたい。また、財産売払収入に2,267,624円の収入未済があるので早急に解消するよう努められたい。
3 平成19年2月に「登米市地域防災計画」が策定されたが、近い将来高い確率で発生が予想される宮城県沖地震に備え、発生時の対応等を市民へ周知するとともに関係機関との調整を十分にされたい。また、自主防災組織の育成にも引き続き努力されたい。
(3)企画部
1 横山住宅団地の販売については、平成18年度に販売価格の見直しを行い1区画の分譲があった。しかし、25区画のうち売却は平成18年度末までに8区画のみである。販売促進に努めていることは認められるが、今後も販売に向け一層の努力を期待する。
2 平成18年度から策定作業を行っている登米市国土利用計画は、登米市の土地利用の規範となる重要な計画であり、都市計画、農業振興計画とも密接な関係にあるため十分に検討し策定されたい。
3 地区集会施設で維持管理費を公費負担しているものについては、公費負担が平成19年度までとなっており、住民説明会を行い理解を求めているが、今後も負担の公平・平等の立場に立ち調整されたい。
(4)市民生活部
1 生活保護業務における保護費等の返還、返納金等764,246円が収入未済となっている。分納等により納付はされているが、関係調書を整備するとともに、今後も未収金の解消に努められたい。
2 平成18年10月から障害者自立支援法の福祉サービス事業体系が大きく変わった。
旧体系から新体系へは、5年間で順次移行していくが、利用者等への制度の周知徹底を図られたい。
3 保育料の収入未済は滞納繰越分を合わせ29,839,840円となっている。また、2,861,270円の不納欠損処分を行っているが、今後も債権の適切な管理と回収に努められたい。
4 社会保険庁の年金記録不備により、市民の年金に対する不安が増大している。今後とも社会保険庁との連携を図り、市民からの年金に関する相談等にあっては適切に行うよう努められたい。
5 平成18年度に登米市環境基本計画策定委員会等を開催し検討されてきた登米市環境基本条例が平成19年4月1日に施行された。今後条例に基づき「環境基本計画」の策定がなされるが、市民等の意見が十分反映された計画となることを望む。
(5)産業経済部
1 運用基金のうち高齢者等肉用牛貸付基金で23頭8,374,328円、後継者等肉用牛貸付基金で4頭1,720,600円が未回収となっているので、早期回収を図るなど、その運用にあっては適切な管理に努められたい。
2 「登米市森林組合合併協議会」を設置し、市内3つの森林組合の合併に向け市が事務局となり協議がなされているが、市内林業の振興と組合員の経営基盤等の強化を図ることからも、支援体制の充実を図り、早期合併が実現されるよう努力されたい。
3 活力ある農業・農村の創造を目指し、「登米市農業生産額1日1億円創出プラン」が本年3月に策定されたことから、登米市農産物のブランド化や地産地消運動の推進など、農業生産の振興・消費拡大を図るとともに、目標達成のための各種支援策等を積極的に展開されるよう期待する。
4 平成17年度に交付した登米市技能者訓練協会補助金200万円について、不適切な支出があったとし、平成18年11月に全額返還の請求を行っている。その後2回にわたり督促を行っているが、返還されていない状況である。今後も債権の適切な管理と回収に努められたい。
(6) 建設部
1 旧町域から引き継いだ未登記は887件で、前年度において90件の登記が完了したが、平成18年度においては26件に留まっている。依然771件が未登記となっており、これらについては時間の経過とともに登記が困難となってくることから早期解消に努められたい。
2 住宅使用料の収納対策として、平成18年度から住宅使用料徴収担当参事を配置し未収金の解消に努めた結果、前年度と比較し2,437,625円(8.9%)の減となっており一定の成果は認められる。しかし、本年度末の収入未済額が24,798,980円と依然多額になっている。今後とも解消に努められたい。
3 土木費における翌年度繰越額が7億862万円となっており、全体の33.2%を占めている。災害復旧等による緊急の事業が発生したこと等により通常事業の執行に影響があったこともあり、繰越明許費を設定し事業に取り組んでいるが、可能な限り年度内での完了並びに計画的な執行に努められたい。
(7) 消防本部
1 平成19年4月1日に各町域消防団が統一され、新たに登米市消防団として発足し、その活躍が大いに期待されるところである。本市消防団員の充足率は81.2%と県平均を下回っている状況であり、また、各支団によってもその充足率に差がみられる。地域防災にとって消防団員の確保は重要な課題であるので、消防団活動環境の整備を進めるとともに、住民の消防団活動への理解を得ながら団員の確保に努められたい。
(8) 教育委員会
1 新田第一小学校と新田第二小学校が耐震補強不足で危険な状況にあること。また、児童数の減少などから両校を統合して建設するための実施設計が行われた。子どもたちに安全で安心な最良の教育環境を提供することを目指して建設にあたられるよう望むものである。
2 給食費の滞納については、全国的に深刻な社会問題になっているが、当市においても前年度と比較し21,179,582円(103.9%)増の41,565,605円が滞納となっている。この滞納額の中には、豊里地区の平成16年度以前の滞納繰越分(平成17年度決算において未計上)6,892,121円が含まれている。給食費の滞納については、今後一層徴収に向けた取り組みが必要である。
3 育英資金等の貸付基金の運用において、125件で17,067,700円が未回収となっている。これら運用基金については、今後の貸付事業に影響がでると思われるので、早期回収に努められたい。
注意)「第6 決算の概況等」以降については、以下のリンクからご覧ください。
平成18年度決算審査意見書【PDF 0.98MB】
平成18年度決算審査意見書(資料編)【PDF 274KB】