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トップ > ふるさとライブラリー > 登米の昔話 > 竜宮童子

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竜宮童子

原文

むかしむかし、善王寺に気だてのいいおじんつぁんとおばんつぁんがいたんだと。
おじんつぁんは山に行って木を切り、しばを刈って薪を作り町に持って行ってこれを売ったり、それから、年越しが近づくと夜なべなどして、せっせと門松を作り、これも町に行って売ったりして、細々ながら二人で仲良く暮らしていたんだと。
町に行って門松を売った帰りには必ず川に行って、一つだけ残して来た門松を「竜宮様さ奉げ申す、今年もお陰様で無事に過ごすした」と言いながら川に流してやったんだと。
そうしている中に、或る年越しの晩に、大男がやって来て「今晩は、竜宮からお使いに参りすた」とのこのこ家の中さ入って来たんだと。顔を見ると、おっかねい様な顔なのでおじんつぁんとおばんつぁんが、たまげてしまったんだと。その大男はなにも言わねぇで、釜どのそばに行って座りこんでしまったんだと。おばんつぁんが、その大男に「釜どのうしろは寒いがら炉ばたに来て、あだりながらご飯食べらえん」と言っても大男は立つべともしねぇがったんだと。
しかたがないので、おばんつぁんはご飯を大男のそばまで持って行って食べさせたんだと。
次の日も次の日も男は何の用で来たとも言わねぇで、少しも釜どのそばをはなれようともしねぇでじっと座っていたんだと。気持ちのいいおじんつぁんとおばんつぁんは、悪い顔一つしねいで毎日ご飯を食べさせていたんだと。だがだんだん米びつの底も見えて来たので、或る晩、おばんつぁんが「じんつぁん米がなくなって心細くなって来たよ」といったんだと、おじんつぁんは「そうか困ったなぁ、明日どこさが行って借りで来っから心配すんな」と言ったんだと。
ところが次の朝おばんつぁんが起きて見たら、大男の姿が見えねぇので「じんつぁん、じんつぁんあの人が居なぐなったよ、どこさ行ったんだべ、夕べなの話し聞こえだんだべが、気にかけて出はっていったんだべが、毎日食べてばかりいて便所さも行ったような様子もねがったし、釜どのうしろの方さでもどっさりお仕事してだべがら起きて見てけらえん」と言うので、おじんつぁんが暗がりの釜どのうしろに行って見たれば、やっぱり山盛りにどっさりとお仕事してたんだと。
「ばんつぁん大したお仕事だ、そっからしゃぼろ取ってけろや」と言ってそっとさらおうとしたんだと、すると「カチン」と音がしたんだと、「ばんつぁんあの人のウンチ石のように重くてかでぇウンチだ、あかりを持って来てけろ」と言ったんだと。
そしてあかりでよく見たら大男のウンチはピカピカ光る金の塊だったんだと。
これを見たおじんつぁんとおばんつぁんは大変喜んで大男の似顔を粘土で作り釜どのそばの柱に掛けて毎日拝んだんだと。それからおじんつぁんとおばんつぁんは、何不自由なく幸せに暮らしたんだと。今でも釜柱にかかっている釜男の面は福を呼ぶ面だという、いわれなんだとしゃ。


この昔話の朗読を聴く

【mp3ファイル/再生時間:3分45秒】

標準語

むかしむかし、善王寺に気だてのいいおじいさんとおばあさんがいたそうだ。
おじいさんは山に行って木を切り、しばを刈って薪を作り町に持って行ってこれを売ったり、それから、年越しが近づくと夜なべなどをして、せっせと門松を作り、これも町に行って売ったりして、細々とながら二人で仲良く暮らしていたそうだ。
町に行って門松を売った帰りには必ず川に行って、一つだけ残して来た門松を「竜宮様にお奉げいたします。今年もお陰様で無事に過ごさせてもらいました」と言いながら川に流してやっていたそうだ。
そうしている中に、或る年越しの晩に、大男がやって来て「今晩は、竜宮からお使いに参りました」とのこのこ家の中に入って来たそうだ。顔を見ると、怖い様な顔なのでおじいさんとおばあさんが、驚いてしまったそうだ。その大男はなにも言わないで、かまどのそばに行って座りこんでしまったそうだ。おばあさんが、その大男に「かまどのうしろは寒いから炉ばたに来て、あたりながらご飯を食べてくださいな」と言っても大男は立とうともしなかったそうだ。
しかたがないので、おばあさんはご飯を大男のそばまで持って行って食べさせたそうだ。
次の日も次の日も男は何の用で来たとも言わないで、少しもかまどのそばをはなれようともしないでじっと座っていたそうだ。気立てのいいおじいさんとおばあさんは、悪い顔一つしないで毎日ご飯を食べさせていたそうだ。だがだんだん米びつの底も見えて来たので、或る晩、おばあさんが「おじいさん米がなくなって少なくなって来たよ」といったそうだ、おじいさんは「そうか困ったなぁ、明日どこかに行って借りて来るから心配すんな」と言ったそうだ。
ところが次の朝おばあさんが起きて見たら、大男の姿が見えないので「おじいさん、おじいさんあの人が居なくなったよ、どこに行ったんだろう、ゆうべした話が聞こえたんだろか、気にかけて出ていってしまったんだろか、毎日食べてばかりいて便所にも行ったような様子もなかったし、かまどのうしろの方にでもどっさりお仕事してただろうから起きて見てちょうだい」と言うので、おじいさんが暗がりのかまどの後ろに行って見ると、やっぱり山盛りにどっさりとお仕事してたそうだ。
「おばあさん大したお仕事だ、そこからシャベルを取ってくれ」と言ってそっとさらおうとしたそうだ。すると「カチン」と音がしたそうだ。「おばあさんあの人のウンチ石のように重くて硬いウンチだ、あかりを持って来てくれ」と言ったそうだ。
そしてあかりでよく見たら大男のウンチはピカピカ光る金の塊だったそうだ。
これを見たおじいさんとおばあさんは大変喜んで大男の似顔を粘土で作りかまどのそばの柱に掛けて毎日拝んだそうだ。それからおじいさんとおばあさんは、何不自由なく幸せに暮らしたということだ。今でも釜柱にかかっている釜男の面は福を呼ぶ面だという、いわれなんだそうだ。

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