重点施策(平成19年2月)
医療体制の整備
まず、医療について申し上げます。
病院事業を取り巻く環境は年々厳しさを増しており、特に平成18年度は医療制度改革に伴う診療報酬改定や産科・小児科医の集約化、重点化による転属、退職などにより産科入院の一部制限を行い、小児科においては時間外救急患者受け入れと入院を休止し、また、米谷病院では病床数133床のうち84床の休床を余儀なくされるなど、医療提供体制や事業経営面で大きな影響を受ける極めて厳しい状況にあります。
市民に安心な医療を提供するためには、医師確保が前提であり、喫緊の課題でもあります。これまでも大学医局、県当局をはじめ関係各方面に対し、あらゆる機会を捉えて陳情・要請を行なっておりますが結果を出すには至っておりません。
こうした状況等を踏まえ、本市の独自施策といたしまして「医学生奨学金等貸付条例」を制定し、中長期的な視点で医師確保施策を推進する考えであります。医学生奨学金等貸付条例は、修学資金の貸し付けを行い、貸付期間等に応じて市立病院への勤務を条件としますが、修学資金の貸付対象者を医大合格者から臨床研修医までとするなど多くの医学生等が本市を選択できる制度としております。
本市の地域医療のあり方については、有識者で組織する登米市地域医療福祉システム検討委員会に検討をお願いし、平成18年度内での報告を求めておりますので、その結果等を踏まえ、早急に基本方針を決定してまいりますが、私としては、佐沼病院を中核病院として整備促進を図り、他の病院は、診療機能を確保しながら、その機能分担のあり方について早急に検討し、市民の皆様が安心して必要な医療を受けられるよう取り組んでまいります。
こうした中、病院事業は国の医療費抑制策、医師不足などにより財務状態は危機的状況に陥っております。このため、平成19年度には総務省の経営アドバイザー事業等を活用するなど内部からの意識改革や経営改善を強力に進める部門の強化を図ってまいります。
教育環境の充実
次に、学校における安全・安心な環境の醸成について申し上げます。
昨年、いじめにより自らの命を絶つという不幸な出来事が全国各地でおこり、何度となく胸の痛む想いをいたしましたが、本市におきましても決して他人事では済まされないことだと思います。
教育委員会では教育基本方針の中に「豊かな心の育成」を掲げ、道徳教育や生徒指導を通じて、仲間とともに生きる心や態度を育てる学校教育の実践に取り組んでおります。
しかし、市内各学校において暴力行為、不登校、いじめ、不審者の出現等がどこででも起こりうる現状を踏まえ、児童、生徒が安全・安心な学校生活が送れるよう学校現場での一元的な対応方法を確立するとともに、各家庭や関係機関との連携による課題解決を図る部門として学校教育課内に「活き生き(いきいき)学校支援室」を新設し、各学校への迅速な対応と、課題となる事象の解決を図り予防していくことで、子どもたちが学校に行くことが楽しいと思える学校環境を醸成してまいります。
環境対策
次に、環境保全対策について申し上げます。
今日の環境問題は、技術の進歩や経済活動の拡大などにより、資源やエネルギーの消費が増大、大量生産、大量消費、大量廃棄型の産業活動やライフスタイルが定着したことに起因しています。自然環境は生態系の微妙な均衡の下に成り立っておりますが、社会経済活動は生物共通の生存基盤である地球の環境までを脅かすに至っております。海面の上昇や急激に進む氷河の後退、猛烈な強さのハリケーンや記録的な集中豪雨など温暖化が原因と思われる異常気象が世界各地はもとより日本においても発生しております。
このような認識の下、私たちは環境への負荷が少ない持続可能な発展を目指しながら、恵み豊かな自然環境を次世代に継承する責任と義務を肝に銘じ、住民アンケートに多かった「自然が豊かだ」、「環境と産業が共生する」等の意向を踏まえた地域社会の形成を図るための、持続可能なまちづくりの基本方向を定める「登米市環境基本条例」を制定し、「地域環境保全の創造」、「持続可能な社会の形成」、「地球環境の保全」の三本柱を基本理念として、市民と協働で環境の保全に努めてまいります。
また、具体的な環境の保全と創造に取り組むため、地球温暖化対策の一環であるバイオ・ディーゼル燃料推進事業や次世代の人材育成のための環境教育を全市に広げた取組として行うなど、良好な環境に関する長期的な取組を行ってまいります。
産業振興
次に、産業振興について申し上げます。
本市の農業は、良質米の産地として肥沃な登米耕土を生かした稲作をはじめ、野菜、花き、畜産等を中心に基幹産業として地域の活性化に重要な役割を果たしております。
農業農村をめぐる状況は、少子高齢化や過疎化の進行による担い手の減少、農産物価格の低迷、世界貿易機関交渉や自由貿易協定交渉などの国際化、消費者の食の安全・安心の確保や環境に対する意識の高まり、農業農村の持つ多面的機能への期待の高まりなど新たな動きが急速に進んでいます。このような状況の中、平成19年度から経営所得安定対策がスタートし、品目横断的経営安定対策、米政策改革推進対策、農地・水・環境保全向上対策が実施されます。今後も、引き続き本格実施に向けて関係機関と連携を図りながら推進してまいります。
また、「登米市農業産出額1日1億円創出プラン」により、人材育成確保対策、品目別生産振興対策、環境保全型農業やブランド化の推進など支援対策を総合的に講じていくこととしております。
さらに、農業関連産業への就業機会や農産物の高付加価値化を図り、アグリビジネスを創出することによる雇用の拡大や農業生産額の増大を図ってまいります。
林業については、森林の有する多面的機能の発揮と林業の持続的発展が必要不可欠であります。このため、森林資源の現況に応じて造林や間伐等の必要な施業を適時・適切に、継続的に実施してまいります。
商工業の振興については、魅力ある就業の場の確保や商店街を活性化するための空き店舗対策など、地域ぐるみによる取組に対し、商工団体と課題を共有しながら、元気で活力のある商工業の振興を推進してまいります。
さらに、平成19年度内に三陸縦貫自動車道のインターチェンジが開通することによる、市内への観光客の積極的な集客や企業誘致を推進し、市内に活力がみなぎるような産業振興に力を注いでまいります。
協働のまちづくり
次に、協働のまちづくりの推進について申し上げます。
登米市総合計画のまちづくりの基本理念は、市民と行政が一体となって英知と創造力を結集したまちづくりを進め、「市民との協働による登米市の持続的な発展」を目指すこととしています。その実現に向け、意識啓発のためのフォーラム開催や実践のためのマニュアル書作成、そして市民の皆様からの提案による協働事業の実施などを推進してまいります。
また、市民との協働や地域づくりを推進するため、組織横断的な市民活動を支援する部門として企画部に「市民活動支援課」を新設するとともに、市民参画を促進するため、広報広聴部門の充実を図ってまいります。
さらに、協働のまちづくりを実践していくためには、市民と行政の相互理解が重要であり、現在、市民と行政の協働の方向性を示す「(仮称)登米市協働のまちづくり指針」を策定中であります。今後、この指針に基づき、市民が主体となったまちづくりを推進するための基本理念や、市民と行政のそれぞれの役割分担を明らかにする「まちづくり条例」の制定に向けて、市民参画のもとに準備を進めてまいります。
協働のまちづくりを進めるためには、行政のパートナーとなるNPO等の役割はますます大きくなってきております。このため、NPO等の育成と活動支援を推進してまいります。